「Hi ナマステ Hello、ようこそラトナラジュ東京へ！」(前編)

38、逆転　side-K ページ40

　
　
　
どうも今夜の俺はおかしい。



原因はわかっている。



さっき指名客をシュードラと間違えた時、フッと鼻で笑われて、その時の吐息と香りが耳と鼻に残って……



そこからだ。



ソイツはなかなか俺の思い通りにはならなかった。



シャンパンをわざと溢して、それを口実にクシャトリア用のレストルームに連れ込んでみた。



俺はどうしても仮面の下にあるソイツの顔が見たかったし、マスクを外した生の声を聞きたかったんだ。



プライベート空間で誰の目を気にする事なく、顔だけじゃなく、俺を指名した「性癖」もさらけ出して欲しかった。



本当は、俺というマハラジャ様に堕ちてる。



本当は、俺に跪きたくて堪らないに決まってる。



そう信じて二人きりになってみたものの、俺はソイツに鼻先であしらわれるばかり。



これじゃあ俺としては仕事にならない。



俺の方が客を鼻先であしらってナンボの商売なのに。



言われるまま、俺がスッピンを晒しソイツに跪く始末だ。



逆転してる。



しかし……



そうさせられる事で、俺は更にゾクゾクが高まるのを感じていた。



尊大なマハラジャたれ、ビジネスに徹しろ、自分のミッションを全うしなきゃ……思えば思うほどそこからかけ離れていき、裏腹に興奮する。



気付かれないよう必死だったが、限界も近い。



あああああ……この俺が、ついに客に堕ちてしまうのか……



K「仮面もマスクも取れよ。」



不遜に言い放ったのは、最後の悪足掻きだった。



F「外すよ、マスクだけ。」



クソー！ マスクだけかよ。



勿体ぶりやがって。





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ここまで開いて下さった読者様、ありがとうございます。

この続きの裏有りバージョンは
「Hi ナマステ Hello、ようこそラトナラジュ東京へ！」(後編)
となります。

裏無しバージョンを読まれる方は、このまま本作での最後まで進みますと、完結まで行き着きます。

完結の形やストーリーの骨子は、両作ともほぼ同じです。

若干の展開の相違はありますが、後編の方が完結までの話数が多いので、前編を読み進めると後編の読者様にはネタバレとなってしまいますので、御了承下さい。

御移動される方でここまでの評価をして頂ける方は、ここでポチ下さると幸いです。

では皆様、引き続き宜しくお願い致します。



きゅまぴ

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