彼女 ページ6
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「 耕大 、 帰ろ 。 」
そう言われて 、 また時間が進み出した 。
「 まだちょっと 、 寒いよな 。 」
「 そうだな 。 」
特に話題もなく 、
中学の時と変わらない帰り道だった 。
「 今日 、 こっちから帰ろうよ 。 」
いつもとは違う道を 、 指差す空 。
「 いいけど 、 どうしたの ? 」
いつもは帰ってから行くコンビニに 、 今行くという
空に疑問を持ちながらも 、 歩き始めた 。
不意に 、 いつもの帰り道を見ると 。
「 あれ 、 雄代じゃない ? 」
振り向いて欲しくて 、 叫んだ 。
「 雄代 ! 」
「 お 、 耕大じゃん 。 」
俺が走って 、 雄代の所まで行くと 。
もう1人の見慣れた人影があった 。
「 よぉ 、どうした ? 」
疑問を持つ俺に気付いたのか 。
「 あ 、 俺の彼女 。 」
雄代は 、そう答えた 。
「 言ってなかったっけ ? 」
「 名前は 、 」
そう言いかける雄代を 、 言葉で止めた 。
「 いや 、 同じクラスだし 。 」
「 あ 、 そうなの ? 」
少し力弱く笑う雄代 。
俺は 、
笑えてる ?
・________
君だけに想い伝えてもないのに 。
咲かない花は明後日の太陽に 。
もう戻れない日々と通学路 。
伝えきれない意味と空白を 。
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作者名:#渡邊 彩華 | 作成日時:2017年8月3日 11時