背中 ページ5
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眩しくて 、 目を開けると
もう太陽は 、 真上にあった 。
一緒に寝てたはずの雄代も
いつのまにか居なくなっていて 、
隣には 、 眩しそうに眠る空だけだった 。
｢ やべ 。 ｣
｢ おい 、 空 。 ｣
｢ んん … ｣
言葉にならないような声を出して起きた空 。
｢ 眩し 。 ｣
上を見て 、 そう言う空は
どこか雄代に似てるような 。
｢ もう 、 昼過ぎてる 。 ｣
｢ え ? やべっ 。 ｣
2人で笑いながら立ち上がって 、
どちらからとも無く 、
走り出し 。
階段を駆け下り 、
教室まで走った 。
教室には 、 誰も居なかった 。
2人で顔を見合わせて 、 笑い出す 。
周りから見たら 、 きっと変な人達なんだろうな 。
｢ あの 。 ｣
少し高くて 、 癖のある声が聞こえたと思ったら 。
空のすぐ後ろに 、 あの女の子が居た 。
｢ さっき HR 終わって 、手紙とか渡しといてって 。 ｣
｢ さっき話したから 、 私が頼まれたの 。 ｣
そう言うと 、 綺麗な髪を耳に掛ける彼女 。
｢ 癖なのかな 。 ｣
｢ ん ? ｣
｢ あ 、 なんもない 。 ｣
彼女のすぐ前にいた空は 、
少し悲しそうに笑ってから
優しい声で 、
有難う 。
そう言って 、
俺の分も受け取ってくれた 。
話したいけど 、 話せないがリードして 。
意識して 、 緊張しちゃう 。
｢ あ 、 有難う 。 ｣
俺が 、 やっと言えた頃に見えたのは 、
もう彼女の背中だった 。
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作者名：＃渡邊 彩華 | 作成日時：2017年8月3日 11時
