TOY 〜second〜 《Daiki.A》

42 ページ2

・









・









・









・









「お……て、……き…」





誰かなんか言ってる…

もう少し寝かせて…





有「起きろって言ってんでしょ！！」

あ「ぬわっ…」




目を開けたら目の前によく知った顔。




有「おはよう、A。」

あ「…おはよ」

有「ほんと起きねーな、俺以上に起きないの初めて見た」

あ「んー…」

有「また寝ようとしないのー。早く着替えて。
…次の奴が待ってるから。」





次の…


そっか、もう今日から違う人になるんだ。






有「…そんな顔すんなって……」

あ「…」

有「一生会えないわけじゃないんだからさ、ね？」





いわれるがままに着替えて食堂に向かう。






そこには一人、立っていた。







あ「…さん」


伊「ってなわけで、今日から変更なので。仲良くね〜」







『…よろしくね』









…









あ「…おねがいします。中島さん。」









有「…じゃあ、ね」




彼はその一言を放って、その場から立ち去ってしまった。






中「…ごめんね、俺で。」


あ「いや！そんなことないです！」

中「俺なりに頑張るからさ」








大ちゃんの代わりになるかはわからないけど…


そういってくれた。







中「…じゃあ、薮くんの部屋から行こうか」

あ「…はい！」









…









コンコン…



『はいはい』





ガチャ





薮「あれ？大ちゃんじゃないの？」

中「…俺に変わったんだ！じゃあ、行ってらっしゃい」

あ「…行ってきます」







バタン







薮「今日から裕翔になったの？」

あ「…そうです」

薮「そっか…、何があったかは聞かないけど大変だったんだね」

あ「…え？」








薮「泣いた跡がすごいある。俺そういうところよく見てるから」



…最年長って聞いてたけどほんとに何でもお分かりなんだな…




薮「それに、笹野ちゃんは大ちゃんが好き。」

あ「へっ！？」

薮「二人ともわかりやすいもん。…声も聞こえるから」






声…


何のことかわかった瞬間、顔が熱くなってくる。






あ「…すいません」

薮「いーのいーの。で、大ちゃんとはもう会えないの？」

あ「二人で会ったらクビにするってオーナーが…」




薮「…そっか。でも大丈夫だよ、大ちゃんだもん」

あ「…？」

薮「まぁその理由は後でわかるから」





…そういう顔はニコニコしてて。

薮さんの言うことはほんとなんだろうなって思えた。

43→←41

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す