【赤羽業】守るために強くなる。1学期

気づいた ページ5

あれから二週間E組はとにかく楽しくて



みんながみんな優しくて




カルマ君は私と目が合うとニコッと笑う




私も笑い返す





当たり前のように






毎日しゃべって







お昼ご飯食べて






いろんなこと話して







カルマ君は悪い人なんかじゃなかった





心が綺麗だった







カルマ君がE組に来たのは先輩を助けたから






そう噂では聞いてた



私はカルマ君のことをもっと知りたいと思った





その時は私は自分の気持ちに気づかなかった





カルマ君は





根はいいやつだとか




ドSだとか




ひかれそうになった子供をたすけたとか




私の中には




いつもなぜかカルマ君が居た



「おはよ〜鈴。」


『おはようカルマ君』


お昼ご飯でも


「渚君〜ここいいかな？」

「いいよ」


すぐ近くにカルマ君はいて。





「辛子の実験したいんだけどさ〜付き合ってくんない？」

『食べさしたりしないならいいよ』

「ん〜？食べさせるかも…」




一言一言が私にとって嬉しかった





期待してしまった







今気づいた






私はカルマ君に恋をしてしまった






でもね…






叶わないってわかってた






カルマ君はいつも奥田さんを見てるから







奥田さんにかなう訳もなくて




死ぬほど苦しくて



泣きそうで




奥田さんもきっとカルマ君が好きで



見てて辛くて



こんな好きって気持ちなんて気づきたくなかった



好きになんてなりたくなかった




自分の気持ちに気づいてからは


諦めないとだめだから


カルマ君を避けるようになった



「おはよ〜鈴。」





無視。





「鈴〜ここでご飯食べていい〜？」





無視。




「鈴〜一緒に帰ろ〜？」




無視。



こんなの辛すぎよね







伝えてもフラれれるのと






今の関係がこわれるのが怖い




だから自分の気持ちが冷めるのを待とう




でも気持ちは溢れるばかり

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