【鬼滅の刃】霞柱の喋れない継子 参

八十七話　過去編 其の陸 ページ8

顔は昨日同様怯えた顔だ。呼吸も相当荒くなってるな…

子供の前には、食事が置かれていた。きっとさっきの言葉から察するに夕食だろう。


てかもうそんな時間か。


『よぉ、食べねぇのか？夕食。』


子供は無表情で、何も答えない。


『憶えてるか？俺のこと。』

『……』

｟…人形みたいだな。｠

俺はその場にあぐらをかいて座った。


『お前、なんであの山なんかに来たんだ？』

『…』

『お前、人が怖いのか？』

『…』

『なんか喋れよ！』


子供はビクッとした。

きっといきなり俺が大声出したからだな。怒ってるわけじゃねぇけど。


『あの、最近喋れなくなってしまったみたいなんですよ…その子。』

『…喋れないだぁ？』

『はい。喉に異常はないので、精神的なものなんじゃないかと思うんですけど…』


『精神的……』


俺は、さっき見た女隊士たちの会話を思い出した。

そして気が付いた。


あぁそうか。

こいつ、いじめを受けてるから、人を怖がるんだ。

いじめを受けたから、喋れなくなったんだ。


『はぁ、やっぱりけしからんやつらだな。(ﾎﾞｿｯ』

『え？』


俺はため息をつきながら立ち上がった。


『おい、明日もまた来るけど、良いよな。』

『えっあ、はい！構いません！』

『分かった、ありがとな。』


そして、子供の方を向く。


『明日も来るからな！首洗って待っとけよ！』

『首洗って待っとけって…(ﾎﾞｿｯ』

『なんか言ったか？』

『いえ！なんでも！』


なんか怪しいけど、まぁいいか。

その後、俺はその屋敷を出て、とりあえず急いで家に帰った。




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