検索窓
今日:12 hit、昨日:49 hit、合計:216,978 hit

九十五話 三人の ページ16

怖くなった。

手がカタカタと震え始める。

足が全く動かない。


「あんたが霞柱様の継子?」


三人の内、真ん中に立っていた人が口を開いた。

私は怖くてうなずくこともできなかった。いや、うなずかない方が良かったかもしれない。



「あのさぁ、継子だからって霞柱様に馴れ馴れしくするのやめてくれない?すごいイライラするんだけど。」


どういうこと?

時透さんに馴れ馴れしくなんかしてるつもりないのに…


「霞柱様はあんただけのものじゃないのよ?」


あんただけのものじゃないって…

この人たち、なんなんだろう…


「この前も任務で霞柱様に迷惑かけたんでしょ?」

「頭怪我してさ。どうせ霞柱様に心配して欲しくてやったことなんでしょ?」





違う。

私はただ、時透さんを守りたかっただけだ。


「…」

「気弱ぶってんじゃないわよ、白髪頭。」

「これ以上出しゃばるなら、許さないから。」


その後、女の人たちは色々言って、私を通り越して去って行った。




「…」



足取りが重くなった。


『霞柱様はあんただけのものじゃないのよ?』


“もの”って…

時透さんはものじゃない。

「はぁ…」

私はため息をついた。





「ザッザッザッ」

すると、前方から足音が聞こえた。

ふと、顔を上げる。


「咲雪…!」


そこにいたのは、時透さんだった。

私はペコリと頭を下げた。


「迎えに行こうと思ってたのに。」

「…」


膝を付いて、紙に文字を書いた。


[診察が意外と早く終わったので。すみません。]


時透さんは紙を見た。


「いや、良いよ。咲雪が元気になったんならそれでいいし……」


時透さんが、私をジッと見ている。

どうかしたのかな。


「…ごめん、行こうか。」


そう言って、時透さんは踵を返して歩き始めた。

私は、時透さんの後を追った。




九十六話 話→←九十四話 屋敷に戻れる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
338人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ねぎとろ丸(プロフ) - 黎音さん» あ、ただの誤字ですね(-_-;)ご指摘ありがとうございます。今まで修正できてなくてすみませんでした。 (2021年2月13日 18時) (レス) id: 0f7aa38795 (このIDを非表示/違反報告)
黎音(プロフ) - 炭治郎との再会だと思うのですが、再開何を再び始めるのでしょうか (2021年2月13日 11時) (レス) id: 9cf40aceea (このIDを非表示/違反報告)
ねぎとろ丸(プロフ) - ルリーナさん» ありがとうございます( ;∀;)お優しいですね…ありがとうございます(二度目)これからも頑張ります! (2020年9月27日 9時) (レス) id: 504f2e69b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルリーナ - 毎日楽しみにしています頑張ってください。でも無理せずご自身の体を大事にしてください (2020年9月25日 21時) (レス) id: 18617ecf20 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎとろ丸(プロフ) - 未桜さん» コメントありがとうございます!最高だなんて、とても嬉しいです!これからも頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします! (2020年9月22日 19時) (レス) id: 504f2e69b8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ねぎとろ丸 | 作成日時:2020年8月4日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。