天啓 ページ8
午後の授業中、オレはただひたすらに悶々としていた。あのぽやぽや野郎にどうやって近づくべきかを。
マッシュが必ずといっていいほどについて行ってるうえに、アイツには耳について話してしまっている。そしてフィンと同じ部屋だし、なにを話しているかわからない。スカシピアスも同等に。マッシュは誰にでもポンポン話す習性あるし。
これが示す答えは、そう。下手を打つと広まってマジで避けられちまうと言うことだ。
「チッ……難しすぎんだろ」
思わず苦言を漏らし、ぐしゃりと髪を乱す。考え込んでいたのもあり、授業はどんどん進んでいるし、開いていたノートのページは新品同様である。
内容はなんとなく把握しているから問題ないが、性格上綺麗に書き納めたい。
はぁーさっさと書かねえとなぁ……と渋々ペンを走らせていると、ちょんちょんとなにかで突かれる。なんだ？と視線を向けると、ペンの先をこちらに向けたAが、こっちをじーっと見つめていた。
「んだよ」
「え…さっき難しすぎんだろって言ってたから、教えてやろうかと」
「は？」
オレがそう切り返すと、「え？」と不思議そうな顔で見返してくる。ああなるほど、コイツはオレのさっきの発言を聞いて、授業内容が難しくて悩んでいると思ったのか。
数秒かかって納得したが、お前のことを考えて難しがっていたなんて言う勇気はない。
「あー、あーー……まぁ……」
「今日のとこはオレ結構自信あるんだよね。教えてやろうか？」
ふふん、と自信げに言ってくるところがマッシュによく似ているが、オレの方が成績は少し上だ。それに授業内容自体はなんとなく理解しているし、問題はない。大丈夫だと返そうとした時、オレの脳にまたも天啓が落ちる。
教わるときになりゃいけんじゃね？？
「だいじょ……っばねえから教わっていいか？」
「おし。んじゃ、放課後オレの部屋集合な。」
にかりと笑ったAに「おう」と返した瞬間、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
放課後、オレは勝負に出るんだ。
空白のノートと減ることのなかったペンをしまい、オレは席を立った。
続く
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みんちょ - 最高！！！！！もっとやっちゃえ！！ドット君んん！！！！ (3月29日 13時) (
レス) @page8 id: 0797d1e760 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - 大好きですほんとにもういつも素晴らしい作品を書いてくださりありがとうございますこれからもずっと応援してます！！！！！ (2月25日 9時) (レス) id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんぬ x他1人 | 作成日時：2024年2月25日 8時
