布告 ページ6
「Aが先にしてきたからボク悪くない」
ふん、と胸を張って言い張るが、オメーもやってんじゃねえかととてもツッコみたくなる。ん゛ん゛っと咳払いを一つし、「んで、そん時どうだった?」と聞く。
大丈夫、声は震えてねえし変態感はでてねえ……いや、それはまあ聞いた時点で思われてなかったからセーフだ。
「んー…びっくりしてたけど、別にな…」
「あーー、そぉ……」
多分だが、コイツの鈍感な部分があったからそう思ったぢけであろう。だってオレがやったら変な声出てたし。あれで「びっくりした時に出ちゃったー」は少女漫画でも「んな訳」とツッコまれるレベルだ。
「てか、本当にそんなこと聞いてどうするの?」
まさか本当に弱点探しなの?とじとりとオレを見つめるが、弱点なんて見つけたとこで___まああるなら聞いてみたいものだが___特にオレは何もしな……いや、現在進行形でしようとしてんな、オレ。
「別に?兄弟揃って耳弱かったら面白いだろ」
流石にないなんてことはない。あのスカシクソイケメンですら極度のシスコンという欠点中の欠点があるのだ。絶対にある。
マッシュはオレの答えを聞くと、「面白くはない」と膨れた。
「でも、特に悪いことがあったわけじゃなくて良かった。」
そう言うと、マッシュはすくっと立ち上がり、オレを見下ろした。眩しく照りつける太陽がマッシュの髪で隠され、逆光で影を引き立たせる。
「行こう」と食堂を指差し、オレは「おう」と返事して立ち上がった。
「ドット君の分、フィン君が作ってたよ。残ってるかな…」
「マジ?残ってなくてもオレは別にいいぜ?クソイケメンが食ってたら別だけど。」
そんなことを話しながら廊下を歩いていると、あっという間に食堂に到着した。扉を開けると、軋んだ音と共にガヤガヤとした声が飛び出してくる。
席はどこだ、と探していると、あっち。とマッシュが指差した。
「あ、ドット君!良かった、君の分は無事だよ!」
「チッ…もう少しで食べられたのに。」
到着して1番に、顔を明るくするフィンと舌を打つスカシピアスがオレを見る。レモンちゃんはすぐにマッシュに駆け寄っていき、来てくれてありがたかったがまだに私怨を送る。
「ん、遅かったな。腹でも下したのか?」
「別に。オレの腹はそんなヤワじゃねーよ!」
呑気にフォークを咥えて振り返ったAの隣に腰を下ろす。
どっかのタイミングでもういっちょ試すしかねーな、と心の中で呟いた。
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みんちょ - 最高!!!!!もっとやっちゃえ!!ドット君んん!!!! (3月29日 13時) (レス) @page8 id: 0797d1e760 (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - 大好きですほんとにもういつも素晴らしい作品を書いてくださりありがとうございますこれからもずっと応援してます!!!!! (2月25日 9時) (レス) id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らんぬ x他1人 | 作成日時:2024年2月25日 8時