・ ページ29
「放せ、っくそ、このケダモノ!」
「お前には余罪が見つかりそうだったからな。…おい暴れるな、面倒臭い」
現在オレは神覚者の一人であるオーターさんに捕まっていた。ふらふらと宙に浮いた足をばたつかせて抵抗するも、巻きついてきた砂がキツくなっただけだった。
マッシュは「A…!」とオレの名前を呼ぶと、忌々しげにオーターさんを睨む。
「…Aを、離してください」
「断る。この後コイツにはキッチリと質問をするつもりだ」
ブリッジを中指で押し上げ、ここが食堂ということも忘れて戦い始めそうな二人である。
ねえオレをさっさと下ろして!!オレこういう緊縛とかそういうの趣味じゃない!!
「解放しないと…怒りますよ」
「…子供に付き合っている暇はない。」
「うるっさ…___いじゃなくて、そんなこと言ってないで早くオレを解放しやがれ!!…です!!」
やらかした。めちゃめちゃにタメ口使った。
途中でギロッて睨まれたし、なんなら拘束キツくなった。もうやだあ帰りたい。なんでオレこんな目に合ってんの?
ドット達助けてえと視線を送ると、綺麗に逸らされた。ぶっ飛ばすぞと思っていたのも束の間。他の生徒達も目が合わないようにぱっと逸らした。お前ら全員ぶん殴ってやろうか。
「争いを起こすなと忠告されているんだよ。…行くぞ」
「え、ちょ、っ!?」
ため息を一つつくと、マッシュを無視してつかつかと歩き始めたオーターさん。え、え。嘘。この砂一緒に動いていくんだけど。
うぐぐ、と身を必死に捩っていると、マッシュと視線がかち合った。「A、今助ける」と拳を構えたマッシュ。おい待て、それはオレも死ぬルートでは?
「ま、待て、本当にそれはっ」
「オーターさん、ソイツを解放してください」
「……へっ?」
凛とした声が響いて、オーターさんの足が止まった。
オレの間抜けな声が響いて、広い食堂の空気に溶けていった。「あ、レインくんだ」という気の抜けたマッシュの声で、ふっと意識が戻る。
「何故お前が出てくる。これは指令だぞ。」
「ソイツにはオレが聞いておきます。離してください。」
「えっ指令?指令ってなんですか??」
「私が担当なはずだ」
「オレがやります。解放してください。」
「……随分と強情になったものだな」
「ねえ聞いてまぅあっ!?」
砂の拘束が解かれ、ぼすん、と落ちる。
地面に尻を打つかと思いきや、気づくとマッシュに抱えられていた。
「ふぅ、危なかった。」
「マッシュゥゥ!!今だけは英雄!!」
「え、照れる」
1243人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人間 - 好きです!応援します!!!! (3月31日 23時) (レス) id: 89c49f19f9 (このIDを非表示/違反報告)
みんちょ - えええ、いや、めちゃくちゃええ。……なんやこの満足感は……マッシュ君もっとやっていいよ(?) (3月27日 23時) (レス) @page28 id: 0797d1e760 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ(プロフ) - えってぃだ……!! (3月4日 3時) (レス) @page23 id: cc2beb923e (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 男主、受け攻めとかありますか? (2月18日 11時) (レス) id: b90a85c5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 題名に釣られて来ちまったよぉ…なんでこんな神作思い付くんです??続き楽しみに待ってますっ!!あとこれって原作のどこらへんで起きてる話ですか? (2月14日 9時) (レス) @page12 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らんぬ | 作成日時:2024年2月11日 23時