ひきこもりと神杖の持ち主 ページ27
「A・ナルクスはいるか？」
ガヤガヤとしていた食堂は、その一声で一瞬で水を打ったようにしんと静まり返った。
全員が音を発さずに開いた口のまま、その声の持ち主と、オレを交互に視線を動かす。
フィン達も、さっきまでは喋っていたのに、ぴたりと止まってじっとオレと声の主をみている。マッシュは相変わらずの様子でシュークリームを頬張っていたが、少ししてから「…ん？どしたのみんな」と動きを止めた。
そんな状態の渦中であるオレはというと…
「ごめんお願いいないって言ってあのオレいないってねえ頼む」
マッシュの背に隠れ、見つからないよう努めていた。
だって嫌だ。絶対に反応したら駄目だ、嫌な予感しかしない。ブルブルと無遠慮に揺れ動く肩を両手で抱きしめるように抑え、必死にうずくまる。「Aの友達？」とマッシュが聞いてくるが、んなわけねえだろとツッコむ気力すらもない。
「おま、おまっ、探されてんぞ、出ろよ…！」
「無理無理無理少なくとも距離縮めるには3日は」
「馬鹿言うなさっさといけ！」
小声で叫んでくるドットを無視し、ちらりと声の主の方を一瞥する。そいつは、まだその場から動いてない。雨のように注がれている視線に動じることもなく、ぐるりとオレ達生徒を見回した。
あぁもうこんなことなら、最初にメインディッシュのオムレツ食っとけばよかったなあ、なんて思う。
どのくらい経ったんだろう。数分？数十分？いや、数秒なのかもしれない。でも、きっとオレの祈りがこもってる。さっさと時間がすぎていって欲しいという願いが。顎を伝った冷や汗が、食堂の床に落ち、吸収される。声の主の動きは感じられない。できるならばこのまま終わって欲しい。
そんな願いをふぅ、と息をついて吐き出す。
「何を隠れている。アドラ寮一年」
吐き出された願いは、真後ろで聞こえたその声に真正面からぶち壊された。はぁー……と長々とつかれたため息が聞こえ、あーやべえオレ死んだわ、と乾いた笑が浮かぶ。
ひゅ、と息を吸った。吸って、吐くことがままならない。
どうしようもないからとりあえず、恐る恐る振り返った。
「ごっ、ごご、ごきげんよっ……ぉ、お、ったぁ…まど、っ…ひゃ…っ」
震える口から発した音は人名はなくただの掠れた音。
オレの名を呼んだのは、砂の神杖の持ち主である神覚者、オーター・マドル。
オレの苦手な人間の一人とする魔法局の人。
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人間 - 好きです！応援します!!!! (3月31日 23時) (
レス) id: 89c49f19f9 (このIDを非表示/違反報告)
みんちょ - えええ、いや、めちゃくちゃええ。……なんやこの満足感は……マッシュ君もっとやっていいよ(？) (3月27日 23時) (レス) @page28 id: 0797d1e760 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ(プロフ) - えってぃだ……！！ (3月4日 3時) (レス) @page23 id: cc2beb923e (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 男主、受け攻めとかありますか? (2月18日 11時) (レス) id: b90a85c5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 題名に釣られて来ちまったよぉ…なんでこんな神作思い付くんです？？続き楽しみに待ってますっ！！あとこれって原作のどこらへんで起きてる話ですか？ (2月14日 9時) (レス) @page12 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんぬ | 作成日時：2024年2月11日 23時
