ひきこもりと危険 ページ26
「はい、みなさん無事に帰って来れたようですね。その薬草たちは明日の魔法学で使用します。くれぐれもなくさないように。」
では解散、という先生の声でみんな散り散りになっていく。明日使うんならわざわざ今日取りに行かなくてもいいじゃんかよ…なんて心の中で愚痴る。
さて、オレ達はザリガニからエリンギを獲得したので、内申点がプラスされるんだったか。コインでくれねえかなあなんて思うが、そう簡単にくれてやるかってことだろう。
だが、それ以上に問題は……
「A、今からお前には色々と聞きたいことがあるんだが」
「悪いオレこの後外せない用事があってさぁ」
「なら手短に聞く。___お前、マッシュに魔力を分けたな。」
びく、と肩が跳ねる。オレの言葉を全て遮ってぶつけてきた言葉にはランスさんの怖さがふんだんに詰め込まれていて、正直に答えなければグラビオルでひき肉行きなのがなによりもわかる。
「…あの場を見て違和感を覚えた。マッシュからお前の魔力を感じたからだ。」
「……お前だって、オレの魔力取り込んでたろ。あと、あれはオレの本意じゃなくて___」
「オレの場合とは訳が違う。アザのないアイツに魔力をわけることは、ゼロになにかをかけても変わらないことと同等だ。底のない箱に永遠と魔力を注ぎ続けていると、お前の肉体も滅びるぞ」
切羽詰まったその声色は、優等生には珍しい焦りを含んでいた。
つまりオレは、自分の魔法を制御できていないということだ。魔法で消費される魔力にプラス注ぎ込む魔力というとんでもない使い方。あー確かにオレよくぶっ倒れてねえよな。
「…別にオレは平気だし」と強がりに言った言葉は、似合わないほどに落ち込んでいたし、震えていた。
知ってる。こんなバグみたいなことできるやつは、どんな仕打ちを受けるかなんて。
「世界中がとりにくるんだぞ。___お前のその馬鹿みたいな魔力量と、その治癒力を。」
身内が、…兄が、そんな扱いを受けてたから。
…あ、漫画で出てくる過去編に突入しそうになった。
やべえやべえ。ふと思い出しそうになった記憶を脳の奥にねじ込んで、ふん、とランスを正面から見つめ直す。
「んじゃそん時はグラビオルで守ってくれや。魔力と治療はしてやるからよー」
「んな…！？馬鹿なのかお前は！」
「馬鹿だよ、今さらだなぁ。んじゃなー」
オレは背を向けて、足早にその場を去った。
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人間 - 好きです！応援します!!!! (3月31日 23時) (
レス) id: 89c49f19f9 (このIDを非表示/違反報告)
みんちょ - えええ、いや、めちゃくちゃええ。……なんやこの満足感は……マッシュ君もっとやっていいよ(？) (3月27日 23時) (レス) @page28 id: 0797d1e760 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ(プロフ) - えってぃだ……！！ (3月4日 3時) (レス) @page23 id: cc2beb923e (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 男主、受け攻めとかありますか? (2月18日 11時) (レス) id: b90a85c5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 題名に釣られて来ちまったよぉ…なんでこんな神作思い付くんです？？続き楽しみに待ってますっ！！あとこれって原作のどこらへんで起きてる話ですか？ (2月14日 9時) (レス) @page12 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんぬ | 作成日時：2024年2月11日 23時
