・ ページ25
「ひぇっ……」
驚きのあまり情けない声が喉の奥から出る。
えっ何今の低い声。誰の喉から出たの?
ボクの耳がおかしくなってなければランス君から聞こえたけど、どう声帯を使ったら出るのかわからないくらい低い声出てなかった?
「いいいいいいや、そそっそんなことあった気がしないでもないかなぁってだけで真実とは」
「本当のことを言え。オレは乱暴はしたくない主義なんだよ」
「説得力を微塵も感じさせないオーラ出てるのに…??」
ほら、マッシュ君も恐怖のあまり痙攣してるし、頑なに目を合わさない。だって今のランス君モザイクかけた方がいいレベルですごい顔してる。
この顔はドット君がアンナちゃんグッズに紅茶ぶっかけた時並みの顔だ。いや、訂正。あの時の方がやばかった。この世の終わりかと思ったあれは。
「ねっねぇA君、大丈夫?何があったの?」
恐る恐るうずくまって念仏を唱えていたA君に話しかけると、念仏がピタリと止まる。そして、ギギ…と音がするくらいロボットの様な動きでこっちを見る。
「……マッシュに口が触れたら、傷口じゃなかったのに他の部分も一気に治った。」
「え、それって…」
「…マッシュ、オレは本当のことを言えといったはずだが。」
「いぁぁぁ…ごえんらあい、キオコ、キオコあえうんえ、」
「何いってんだお前」
ランス君がキレながらマッシュ君の両頬を引っ張っている。さっきよりも浴びせる視線が冷えてるし、怖さ二割り増し。
でも、A君が言っていることが本当だとしたら…
「魔法の覚醒…?でも詠唱もしてないだろうし……」
「はぁぁオレもうお嫁行けない…」
「落ち着いて君は迎える側だよ!!」
ダメだ完全に意識おかしくなってる。慌てるボクに、引っ張られた頬を開放されたマッシュ君が、赤く染まった頬をそすりながら「でもすごかった。力がぐわーってみなぎってきた。」と語彙力皆無な説明をした。
そして、ランス君がそれにはっとしたように、「まさか」と溢し、A君の目の前ですっとしゃがみこんだ。
「A、もしかしてマッシュにも注いだのか?」
「え?」
注ぐってどういうこと?
え?待ってボク意味わかんない。思考放棄したいレベルで。
「注いで良いのはオレのナカだけだと約束しただろう!」
「やめろいかがわしい!!」
「ごめんなんの話なんだろうこれ」
1242人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人間 - 好きです!応援します!!!! (3月31日 23時) (レス) id: 89c49f19f9 (このIDを非表示/違反報告)
みんちょ - えええ、いや、めちゃくちゃええ。……なんやこの満足感は……マッシュ君もっとやっていいよ(?) (3月27日 23時) (レス) @page28 id: 0797d1e760 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ(プロフ) - えってぃだ……!! (3月4日 3時) (レス) @page23 id: cc2beb923e (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 男主、受け攻めとかありますか? (2月18日 11時) (レス) id: b90a85c5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 題名に釣られて来ちまったよぉ…なんでこんな神作思い付くんです??続き楽しみに待ってますっ!!あとこれって原作のどこらへんで起きてる話ですか? (2月14日 9時) (レス) @page12 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らんぬ | 作成日時:2024年2月11日 23時