魔法も筋肉も敵わない。続【反応集】

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【ランス・クラウンの場合】


「……別に、お前にわざわざ守られるまでもない」


別に避けれた、と不機嫌気味に溢す彼の脳内は、あなたが「どけ」と冷徹に放った言葉と規格外な魔法の威力でいっぱい。「はいはい」といつもの調子に戻ったあなたを見て、(コイツ二重人格か？)と若干疑う。ドッドッと戦いに対する緊張じゃない何かで心臓が早鐘を打って、「…クソ、」と吐き捨てる。
自分を庇った瞬間のあなたが美しく見えて、不意に胸が高鳴ってしまった。……なんて、しんでも言いたくない。
そんな感情を持ってヤケクソにグラビオってる彼はいる。


「……お前如きに守られるオレはまだまだ未熟だということに気づかされた。…………こんなことで、まだ堕ちる心にも。」



【レイン・エイムズの場合】


「っ！？……＿＿悪い、助かった。」


ウサギ達に夢中で餌をあげていて、立ち上がる瞬間思わずローブの裾を踏んだおっちょこちょいな彼。ズルッと後ろに転びそうになったところをぽすんとあなたの腕が背中を通った。
「大丈夫？」と優しく微笑みかけて見下ろしてくるあなたの顔が新鮮で、思わず胸がむずむずと疼く。「…だい、じょうぶだ」と珍しく舌足らずに目をそらし、いそいそと立ち上がる。
「本当？」と見つめるあなたを背に、立ち去りますが、しばらくはその余韻に浸ってぼーっとしがちになる。


「……アイツ、あんな風だったか…？いつもと、何かが違う気が……オレの気のせいか。」



【オーター・マドルの場合】


「……ほう、私を庇うとは。偉くなったものだな。」


「庇ったのにその言い方ぁ？」と眉をひそめるあなたは、先程意表を突いてきた敵をぶっ飛ばした時に見せた勇ましい表情とは大違い。「お前が軽々しく触るな」と発したあなたの視線に、不覚にもぐっときてしまったことは自覚していますが、認めたくはないようで。「全く、恩知らずめー」と背を向けて歩くあなたに、「お前に言われずとも、誰にも触れられる気はない」とぼそりと溢します。
メガネのブリッジを押し上げ、高揚を悟られぬようにあなたの後を行きます。


「全く、お前はまたそうやって私を乱していくな。……感謝する。」

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