【NARUTO】茜色の暗部＜２＞

＜ごめん＞ ページ26

「いつから泣いていない」


「いつからだろうね…もうとっくに忘れてしまったよ」



もちろん幼い頃は泣いていたのだろうけれど



「…泣くことが弱いことだとは、俺は思わない」


「っ！！」


「お前は女だ。泣いたって誰も笑わない」



泣くことが怖いことだとは思わない……か…


もしかしたら僕は…



「…僕は……無意識のうちに泣くことが弱いことだと思っていたのかもしれない」


「…」


「ごめんサスケ…僕のお願い聞いてくれる？」


「？」


「ほんの少しの間でいいから……思いっきり抱きしめてくれないかな」



まさか僕の口からそんな言葉が出るとは思っていなかっただろう


僕自身も、サスケにそんなことをお願いするなんて


正直驚いた



「！このバカが…」


「っ！」



ぎゅっと、僕を抱きしめているサスケの腕に力が入ったのがわかる


あのサスケがこんなお願いを聞いてくれるだなんて思わなかった



「ごめん…ありがと…」


「…さっきから謝ってばかりだな」


「確かにそうかも…」



今だけでいいから

誰かのぬくもりが

君のぬくもりが欲しい


そうすれば自分が今ここに

確かに存在しているということを実感できる

そんな気がする


だからお願い


今だけでいいからこんな僕に


君のぬくもりを感じさせて下さい

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