歌に片想い【towaco】 (ページ12)

今日:9 hit、昨日:8 hit、合計:9,992 hit

とわ君の書く歌詞は良いですよね、面白くてセンスがありますページ12

「どうもー」

私が下手から出てくると観客は凄い勢いで歓声を浴びせてくる

カラオケブースに集まった人はほとんどが女性だった

「休琵さぁん、お久しぶりですね！」

MCが私ににこやかに話しかけてくる

「3年前以来…かな？お久しぶりです皆様！私休琵、ただいま公式放送に舞い戻って参りました！」

また歓声が響く

遠くにとわ君の声が聞こえた気がした

あっちはラジオ型ゲーム実況ブース…みたいなの

観客の中に近藤先輩を見付けた

私を見てる

「休琵さん今日はまた素敵な格好で」

「ありがとうございます！同業者の96猫ちゃんに頼みまして」

「もうすっっごく素敵です！」

MCがベタ褒めしてくる

前に出た3年前も同じ事を言われた

「休琵さん、96猫さんと仲良いですもんねっ」

「はい、凄く仲良くさせていただいています」

早く始めろよ、とか思いつつ相槌を打っていく

今のところヒットしか出ていない

ホームラン出るかな

「それでは今回は素敵な可愛い曲を歌っていただきましょう！休琵さん、曲フリお願いします！」

「はい」

すぅ、と息を吸う

そして吐く

皆私を見ている

このステージは今、私のものだ

私が支配している

輝いていて、美しい、真っ白なステージ

真ん中で、スポットライトを浴びて

マイクを握り締め

声高らかに

「それではうたわさせていただきます…

『眠れぬ少女の絶対理論』」

8bitのピコピコした音が流れる

私は大きく息を吸って

魂を込めて

歌う

『____________________』

とわ君に、届いたらいいな