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プロローグ2 ページ2
「それにしても、ここのツツジは本当に綺麗ですね。」
白いツツジがいくつも咲く庭に二人は毎年訪れていた。5年前の今日、この庭で青年に求婚されたことを忘れないようにするために。
「俺がAさんに求婚したときは、ツツジよりもAさんの方が綺麗だったんだけどなぁ。今となれば。」
「ちょっと、それどういう意味ですか。」
「んふっ、冗談。」
指についた米粒を食べ、青年は階段から立ち上がる。
隣に座っている女の手を右手で握ると、にこっと微笑み左手で頭をなでた。
恥ずかしいよ。と女は照れるがそんなことは気にしないで、あの日話した求婚の台詞を口にする。5年前と同じ景色の中、目の前にいる黒髪が美しく似合う女ただひとりに向かって。
「僕は……＿＿」
純白のツツジが風に揺れた。
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作者名：はったさおり。 | 作成日時：2015年9月21日 22時
