不幸にならないで【東リべ】 (ページ6)

今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:980 hit

始まり…5… ページ6

一虎said

10月29日

…東卍との抗争まであと二日

薄暗い路地裏に呼び出された。

『…初めましてかな？羽宮クン。』

「…何の用だよ。」

そいつは東京卍會の副総長だという。

『何でマイキーを恨むの？』

…そういうのいう為に呼んだのかよ

「はァ？てめぇもマイキーのお使いかよ!?」

『何があったかは知ってる。…ムダな抗争はしたくない』

うるせぇよ。
そんな簡単なもんじゃねぇんだ。

二年間それだけの為に生きてきた。

『場地だって、そう思ってるはず。

あいつは…全部1人で何とかしようとするから…。』

…お前が場地を語んなや。

「場地は自分から来たんだぞ、それに、抗争だって賛成だったッ！」

『稀崎に言われたんだろ？場地にも裏切られたら自分なら殺しちゃうって。』

「は？お前、なんで、」

『場地は、優しい奴だから、きっとどっちも裏切らない。

羽宮クンだって、場地が東卍の奴等を大好きな事、知ってるデショ？

その、東卍の奴等には羽宮クンも含まれてることも。』

「俺はッ！！」

『…どうせ、マイキーのせいで二年間もッ！って言いたいんだろ？

巫山戯んな。お前のせいだろ。
自分の罪認められないからって人になすり付けんな。

……じゃあ、後は自分で考えなよ。また明後日ね。』

なんなんだ。こいつは。

自分のせい？自分のせい…自分のせい、、。

俯きながら唇を噛んだ。

二年間ずっと恨んできたのに今この一瞬で揺らいでしまった。

その程度の事だったのかよ。

ちげぇだろ？

『…あ、後ね、……こんな物騒なもの持ち歩いちゃだめだよ～』

ヒラヒラと振ったそれは俺がポケットに入れていたナイフだった。

「は!?それ、いつ！」

『じゃあね。』

俺の頭をくしゃっと撫でてから、

ナイフをポケットにしまうとゆらゆらと帰って行った。

…お前のおかげだよ。

あんときの俺じゃあ、間違ってるって気づけなかった。

今だから言えるけど、本当にありがとな…