不幸にならないで【東リべ】 (ページ5)

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ドラケンsaid

いつも通りマイキーと並んで歩いてたら、なんかの楽器の音が聞こえて来た。

…公園からか？

近づくにつれ、だんだんとはっきり聞こえて来る音色はピアニカの音だった。

ついに公園の前まで来ると、

ピアニカを弾いていたのは一人の男だった。

そいつの周りには沢山チビが居てワクワクした顔でそいつを眺めて居た。

聞いたことある曲で、すげー上手かったけど、どこか悲しい音だった。

「…マイキー？」

マイキーはピアニカ男の方に向かって行き、

「オマエ、すげぇな！」

と言った。

…笑ってる。…心から。

しばらく見てなかった俺の好きな笑顔。

無理やり作った笑顔じゃない自然な笑顔。

それを向けられたピアニカ男は大きく目を見開いて、

『…さ、佐野…、万次郎？』と聞いて来た。

なんでこいつは名前知ってるんだ？って思ったけどマイキーは、

「え？ウン。俺、佐野万次郎。マイキーって呼べよ！こっちはケンチン。よろしくな！」って言った。

そいつは凄く嬉しそうな笑顔で

『自分はAA。二人ともよろしく！』と言った。

ニカっと音がしそうなくらい、眩しくて明るい笑顔。

それは、俺の大好きなマイキーの笑顔そっくりだった。

Aはなぜか喧嘩が強かったから、直ぐに東京卍會に入れられた。

東卍に人を増やす、デカいチームにすると決めてから、初めて入った奴がAだ。

マイキーはAに頭を撫でてもらうのが好きで、俺はそんな2人を見るのが好きだった。

東京卍會副総長。

これは、俺とAの肩書き。

Aはマイキーとはまた違ったカリスマを持っていた。

すぐに色んな人と仲良くなれて、周りをよく見てる。

すげーなって思ってた。

周りをよく見てるから、

分かってたんだよな。
助けたかったんだよな。

アイツの事。

…ありがとうな。みんなの事助けてくれて。

でも、

お前がそうなるのは違うんじゃねぇの？