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三ツ谷said
中1の残暑
(見た事ある)
マイキーが連れてきた奴を見てそう思った。
多分、隣にいた場地もそう思ったんだと思う。
「マイキー。そいつ、だれ?」
俺がそう聞くと
「コイツ強いから東卍いれる!」
と、楽しそうに。
あの事があってからマイキーはずっと元気がなかったから俺は嬉しくて、
コイツがこの頃からずっと、色んなモン背負ってるなんて考えもしなかった。
__________次の日。
学校に行くと、居た。
同学年で、隣のクラス。
(え?女!?)
男だと思ってたから、本当にビビったわ…
『あ!三ツ谷クンじゃ〜ん 』
「お、おぅ、。」
テンション高めのAはいつも俺らの光だった。
自分の事より他人の事。
自己犠牲も勿論少しは必要だとは思うけど、
お前はやり過ぎなんだよ…
場地said
(見たことある)
マイキーが連れて来たヤツを見てそう思った。
久しぶりに見たマイキーの自然な笑顔に“ざいあくかん”を覚えながら。
あいつ、こんな風に笑うヤツだっけ?
そう思ってしまう位、しばらく見てなかった。
俺のせいで…
Aの笑顔は、
マイキーに、…真一郎クンに似てた。
それが余計、苦しかった。
『名前は?』
「…場地、圭介だ。」
少し、驚いたような顔をしたのは気のせいか?
『…よろしく。』
…Aは強かった。
俺も、マイキー達も、半年以上たって、三ツ谷が言うまでは女だってことに気付かなかった。
知ってからも、女だってことを忘れたりしてた。
どんなに強くても、
あいつは普通の女で、本当なら守られる立場なんだ。
あいつが何も言わずに守り続けるから、それが普通になっちまってたけど…
なぁ、A。
俺が言えたもんじゃあねぇけどよ、
一人で抱え込まなくていいんだゾ?
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作者名:奏夜 | 作成日時:2022年3月4日 0時