不幸にならないで【東リべ】 (ページ2)

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武道said

初めて会ったのは10月下旬。

千冬と一緒に歩いてたら微かに綺麗な歌声が聞こえたんだ。

「あ！Aさんじゃん！」

千冬が嬉しそうに引っ張ってきた。

ぐいぐい引っ張られた先には小さな公園があった。

『……～♪.,…～～♪』

歌声がはっきりと聞こえるようになってきて…

「すげぇ、」

うまく言葉に出来ないけど、とりあえず、凄かった。

「Aさん、頼んでも歌ってくんねぇから貴重だぞ？」

うっとりっていうか、なんていうか、
あっという間に時間が過ぎてった。

Aさんは何人もの子供に囲まれて、優しい顔で歌ってた。

その周りだけ違う世界みたいですげぇ綺麗だったなぁ…

『千冬～、見えてんぞー』

Aさんは歌ってた声よりかなり低い声で千冬に声をかけた。

「え？ばれてました？」

『金髪チラチラしてるからw』

「上手でしたよ！流石ですね！」

『うん。ありがと。…んで、そこのダサいの誰？』

「あ、俺っすか？」

初対面でダサいって言われたのまだ覚えてますからね？

『うん。お前。』

「花垣武道っす！」

『んー…、お前、弍番隊？』

「え？あ、うす！」

『あっははwマイキー雑だからなぁ～』

「え？マイキー君の事知ってるんすか？」

「は？相棒、何言ってんだ？
この人は東京卍會のもう一人の副総長。AAさんだぞ？』

『まぁ、集会もあんま出れないし知らなくても仕方ないな！じゃあ、自己紹介するわ！

東京卍會副総長のAAだ！
よろしく。たけみっち。』

そう言うと、Aさんは、ポンっと俺の頭を撫でた。

「うす！よろしくお願いしゃす！」

「あれ？Aさん、そのあだ名知ってたんすか？」

『んー？あぁ、よくマイキーが言ってるからさ』

この人のお日様みたいな優しい笑顔は
誰かに似てる。と思った。

AA…。

どこかで聞いた事あったのはそういう事か…。