【ダイヤのA】俺が守るから

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東条｢え……ど、どうして？何て言ったら……困るよね……｣





Aさんはまた、涙を流した。





『っ……家でね、待ち伏せされてるの。悪い人達に』





悪い人達……？つまり、集団の泥棒とか、暴力団とか？！





東条｢どんな人達なの？！なんなら通報とかした方が―｣

『いいの、同じ学校の女子達…だから』





俺はその言葉を聞いて、思い出した。





今日、廊下で虐められていた少女。





あの子は、左目の下に絆創膏を貼っていた。





そして今、俺の前にいる少女―Aさんも、同じく左目の下に絆創膏を貼っている。





よく見れば髪型も似てるような……。





東条｢あの……変な事言って悪いんだけど、もしかして、今日廊下で……｣





俺がそう言うと、Aさんは顔を真っ赤にして、目を逸らした。





『そっ、そんな惨めな姿を見られていたなんて……お恥ずかしい……』





Aさんは、うつ向きながら、そっぽを向いてしまった。





じゃあ、家で待ち伏せされているっていうのは、その女子達の事？





そこまでして、なんでAさんを虐めるのだろうか？





『もうこのまま死んだ方がいいんだ…』

東条｢！！！そんなことない！
Aさんは、普通の、心優しい、女の子なんだから！
死んだら家族や友達が皆、悲しむんだよ！！！｣


『っ！私には家族も友達もいないの！誰一人、私の味方をしてくれない！先生も、クラスの人もただただ見ているだけ！



私なんて、居ない方がいい存在なんだ―っ』


東条｢俺が、居る！
俺は、Aさんの友達だから！
俺は、Aさんの味方だから！｣




俺は、Aさんを無意識に抱き締めていた。





『っ……なんでこんな私を友達だと言ってくれるの？！
まだ、会ったばかりなのに！
どうしてこんな汚い私を抱き締めるの？！



どうして……っ』





だって、Aさんを見ていると……何故か……





守りたくなるから……

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