【ダイヤのA】俺が守るから

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東条side





『来ないで!!!!!』





雨でびしょ濡れになるAさんは、
そんなの気にせず、と俺から離れていく。





東条｢今度こそ、風邪引いちゃうからさ！｣

『煩い！もう、関わらないでっ！』





そんな……。
俺、もしかして、迷惑だった？

でも、俺はめげない。





東条｢Aさん！俺は！｣

『何！？聞こえないから！』





雨が、強くなる。

その所為で、何も聞こえないんだろう。



でも………俺は…っ。





東条｢Aさんを、守るから!!!｣

『？何！？聞こえないってば！』





・





・





・





東条｢Aが、好きだから!!!!!｣





この声が、届けばいいのに。

何故、届かないのだろう。





東条｢A！｣

『きゃっ！』





油断をしていたAさんを、
ギュッと抱き締める。

もう、離さないから。





『と、東条く……』

東条｢……離さない｣

『苦しいよ…っ』

東条｢！ご、ごめん…｣





力強すぎて、Aさんは苦しそうにして、
逃げようとする。

逃げられたら嫌だから、
少しだけ、力を緩めた。





『……』

東条｢…A、あのさ、俺、
迷惑だった？｣





俺がそう言うと、Aさんは吃驚して、
そんな事ない！と叫んだ。





東条｢良かったぁ……｣





嫌われていたら、どうしようかと思った。

さっきまでの緊張が吹き飛び、
いつの間にか俺は微笑んでいた。



なのに……涙まで、出てくる。





『東条くん……？』

東条｢え、あ、ごめ……っ、
何泣いてんだろ、俺｣





情けないなぁ……何て思っていたら、
Aさんは俺の涙を、
綺麗な指で拭いてくれた。





こう言う優しい所に惹かれたんだな…
…やっぱり。





東条｢……取り敢えず、俺の部屋、行こ？｣

『…うん』





笑ってほしいなぁ、何て思っていると、
雨が止み、大きくて綺麗な虹が出た。





(空が笑っても、
Aさんは笑ってくれない……なんて、ね)





今すぐ、君の笑顔が見たい。

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