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東条side
東条「Aさんっ」
『離して!』
Aさんは、必死に藻掻いて、俺から離れようとする。でも離さない。
『痛いって…って、な、何で東条くん、泣いてるの…?』
東条「あ…ご、ごめ…っ」
俺の方に振り返ったAさんは、俺よりは泣いていなかった。慣れてしまったのか?こう言う事に。
Aさんは、俺から逃れようとするのを止め、じっ、と俺を見詰めた。
東条「……っ」
何故、こんな心優しい子が、虐められなくちゃイケないのか。
何故、Aさんが……
何故__________?分からないよ_____っ
別に、俺が虐められている訳ではないし、俺は何も言われていない。
_____何時から、こんなに泣き虫になったんだよ、俺。
東条「…Aさんっ」
『ひぁっ!』
俺がAさんを抱き締めて、腕の中に包むようにしてあげると、Aさんは可愛らしい声を出した。
『と…東条く…』
東条「…心配しないで。
後さ、さっき、Aさん俺に謝ったじゃん。
……何で?」
『……え?』
可笑しな事を聞いてしまったかな、と、後々後悔する。
『…こんな私に付き合わせちゃってゴメン、とか、東条くんに辛い思いさせちゃって……とか……』
東条「そう言う事言わないって、約束して」
Aさんは、俺に抱き締められたまま、「え?」と声を漏らす。
東条「兎に角、分かった?」
無理矢理ゴメン、Aさん。と心の中で思う。でもね、何事もネガティブな考えをしちゃ駄目と言う事を、伝えたかった。
『……分かった』
少しだけ、微笑むAさん。
そんなAさんを見て、ホッとする。
金丸「おいっ!二人共悪ィ!」
東条「!信二!」
焦った顔で走ってくる信二。
ん?若干顔が赤い気が……。
金丸「……い、何時までそうしてるつもりだよ、変態東条」
東条「……?」
『あ、あの…っ』
東条「っ!!!?」
しまった。抱き締めたままだった。
だから、二人共顔真っ赤にしてたのか……。
『……』
東条「ご、ゴメンね?」
『べ、つに、いい…寧ろ、嬉しい…』
もじもじしながらそう言うAさん。
__________やっぱり、可愛いよ。
東条「よしよし」
フワッとしたその髪を、優しく撫でる。
東条「そろそろ戻ろ?」
金丸「だな」
俺と信二の間にAさんを挟んで、仲良く手を繋いで歩き出した。
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ベルトルト///マルコ(プロフ) - ぴょんぴょんさん» 本当ですか!!!?Σ(・д・´)ノノ更新頑張りますね!!ありがとうございます! (2015年11月3日 20時) (レス) id: 0ce8b2b7c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんぴょん(プロフ) - すごく面白いです!楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2015年11月2日 16時) (レス) id: 3189a2d7ba (このIDを非表示/違反報告)
ベルトルト///マルコ(プロフ) - 小湊兄弟Loveさん» ありがとうございます!(*≧∀≦*)更新遅めですが、早く更新出来るように頑張りますね!!! (2015年10月4日 16時) (レス) id: 0ce8b2b7c5 (このIDを非表示/違反報告)
小湊兄弟Love - いつも楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!! (2015年10月4日 0時) (レス) id: 14fcfef0a1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルトルト///マルコ(プロフ) - 花江っち春っち(*´∀`*)さん» ありがとううううううう!!!!!更新遅くてごめーーーーーーんっ!!!m(__)m (2015年9月26日 11時) (レス) id: 0ce8b2b7c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベルトルト///マルコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/coke1128/
作成日時:2015年4月3日 17時