探偵チームＫＺ事件ノート×文豪ストレイドッグス。赤い仮面は知っている。

9話 ページ9

若「その辺をハッキリさせるためにも、仮面の分析は必要だ。あー、あと、俺たちが見かけたヤツらの似顔絵を作っていた方がいいな。絵が得意なやつっている？」

私たちは、顔を見合わせ、そして翼が手を挙げた。

翼「ちょっとだけだけど。小4のときに、文部科学大臣賞もらった。」

すごいっ！ホントになんでも出来るんだ。

若「じゃあ、描けよ。アーヤ、ノート貸して。」

私は、事件ノートの新しいページを開き、ペンと一緒に翼に渡した。今度は、スケッチブック用意しとこ。
そうして、あーだこーだ言い合ってできた似顔絵の2人は、中年の男で。もう1人のスキンヘッドは、意外なことに私たちと同じくらいの年齢だった。

若「こっちが仮面を落としたやつだけど、どう見ても中学生だよな。」

若武が黒木君に似顔絵を回す。

黒「中2か、中3ってとこかな。」

今度は、そのまま上杉君に。

「中学生って考えたら、美門を襲ったのも理解できるよ。駅裏で襲うなんて、不良がやりそうなことじゃん。」

上杉君が、小塚君にパス。

小「じゃあ、今回の窃盗も、模倣犯の可能性が高いよね。」

小塚君から私にノートが帰ってきた。

翼「でも、別の2人は、中年だよ。ガタイは、すげぇ良さそうだけど。」

立「この3人、どういう関係なのかな？」

上「それ、疑問点に書いとけよ。」

上杉君に言われて、私はそれをノートに書き足した。小塚君が横から覗き込む。

小「あと、僕達があった人数と、警察発表の人数が違うっていうのも気になるよね。」

翼「で、今度だけど。小塚の解析の結果が出てからになるわけ？」

若「小塚、急げよ。」

うなずく小塚君を見ながら、黒木君がふっと微笑んだ。

黒「やることはまだあるよ。重大なことがね。」

その様子は、自信満々で。私は、色めきだち、黒木君の方に身を乗り出した。

黒「アメリカのサイトによれば、赤い仮面は、アメリカとフランスに拠点を持っている。フランスの拠点は、マルセイユだ。
ところで、このマルセイユは砂原に出資したっていう、日本人富豪のある街だ。
マルセイユを拠点とする商人達は、組合を作って、細かな情報網を共有している。ということで、砂原に接近して、その富豪を紹介してもらおう。」

上杉君の冷ややかな目の中で、用心深そうな光が瞬いた。

上「だけど、その富豪って日本に居ないんじゃね？本社、マルセイユなんだろ。」

黒「日本にいなくてもいいさ。合わなくても、メールや電話で情報は、入手できる。」

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