39話 ページ38
シュ「そうか、それは残念。君たちの健闘を祈る。」
シュンサクライ氏は、そう言うとAちゃんと握手し、ハグ。Aちゃんはそれに答えるように手を回す。
A「ええ、ありがとう。」
Aちゃんは、シュンサクライ氏から離れ、ドレスの裾を私が振りまいた小麦粉で汚れないように持ち上げ坂口さんに駆け寄った。
A「安吾さんっ!」
シュ「彼女も、是非私のチームに入って欲しかったが、無理そうだな。さて、君たちともお別れだ。また、成人した時に会おう。」
私たちは、1列になって部屋を出ながら、お別れの握手をした。シュンサクライ氏は、全員の右手をしっかりと握りしめ、左腕を肩に回してひとりひとり愛おしそうに抱きしめて別れを告げた。
シュ「お、最後はお姫様か。御機嫌よう。」
私の右手を握りしめ、引き寄せてその大きな胸の中に抱きしめた。私は、トースターに入れられたバターみたいにグニャリと溶けてしまいそうだった。シュンサクライ氏から漂うラベンダー。
私の恋心は、最高に盛りあがったけど、もう会えないのだと一気に下降した。
シュ「気をつけて帰りなさい。坂口君も。」
坂「ああ、どうも。そちらこそ、お気を付けて。マスクルージュに恨みを持つ組織は、増えていますからね。」
シュ「忠告、感謝しよう。」
シュンサクライ氏は、エレベーターホールまで送ってくれた。
シュ「じゃあね。」
その笑顔を前に、エレベーターのドアが閉まっていく。私は、ちょっと息をついた。
黒「砂原、本気で赤い仮面団に入る気?」
砂「そのつもりだったけど、就職先としては面白いんじゃね?」
若「俺には、すっごく合ってる!」
坂口さんがため息をつき、Aちゃんは、クスクス笑う。
小「危険だよ。」
若「危険を避けるやつなんて、男じゃねーよ。」
上「じゃ俺、検察庁に入って、お前ら全員、逮捕してやるよ。」
黒「俺は、新聞社に入って、でかい写真付きでそれを報道する。」
翼「じゃ若武、新聞にのれるね。」
私たちは、弾けるように笑いながら、エレベーターを下りる。地面に足を着くとそこがあまりにもしっかりしていてびっくりした。
若「てか、坂口!お前、なんでこんなとこいんだよ!ずっと雲隠れしてた癖に。」
A「もとより、会うつもりはなかったのよ。安吾さんの仕事に着いてきたら、たまたま。」
堂々と、また雲隠れすると宣言したAちゃんに若武は、青筋を立てた。
砂「立花さあ。」
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桃桜月(プロフ) - 沢山のコメント、ありがとうございます。現実バタバタでなかなか進まないですけど、これからも、よろしくお願いします。 (2022年7月9日 21時) (レス) @page42 id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
椿姫 - すごい…!読んでてわくわくします。文ストもKZも大好きなので、嬉しいです。もう六週はしました!更新、頑張ってください!楽しみにしていますね。 (2022年6月29日 18時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
ミミィ - 面白かったです。頑張ってください。 (2022年5月28日 19時) (レス) @page29 id: bfe81bac03 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!!! (2022年1月14日 22時) (レス) @page7 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください。楽しみに待ってます! (2021年12月10日 21時) (レス) @page3 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃桜月 | 作成日時:2021年12月9日 21時