36話 ページ35
シュ「成人したら、砂原は、私のチームに入るんだ。」
そういう事だったんだ。
立「砂原、ダメだよ、そんなの。若武たちも犯罪者の仲間になったりしたら、絶対ダメだからね!」
シュンサクライ氏は、快活な感じのするその眼差しを私に向けて、ふっと微笑んだ。
シュ「気の強いお姫様。貴方の頭の中を洗って差し上げよう。」
そう言いながら、私に近寄ってきて隣に座る。鼻に華やかなラベンダーの香りが忍び込む。甘いけど、爽やかで、シュンサクライ氏に似合いの香りだった。
シュ「あなたは、我々の活動を犯罪という言葉で呼んでいるが、我々はこう名付けている。富の移し替えと。」
富の移し替え?
シュ「世の中の金銭を在るべき場所に移動させる。それが、我々マスクルージュの活動だ。見てご覧。」
壁に埋め込まれているモニターが僅かに音を立てて、映像を流した。それは、豪華なパーティー解除で若い日本人の客たちがシャンパンを掲げたりしている光景だった。
シュ「彼らは新ヒルズ族と呼ばれる成金だ。ほとんどが20代で、IT企業で儲けた人間たち。こうやって彼らが1ヶ月に消費するお金は、11000万円は、くだらない。」
A「無益な事、ね。恥ずかしいわ、同じ日本人として。」
Aちゃんは、悔しそうにその画面を睨んだ。画面はどこかの国の難民キャンプに移った。井戸の前には、たくさんの人々が列を作り、テントで医者や看護師が活動していた。
シュ「この世の富を正しく配り直すために我々は存在するんだ。」
シュンサクライ氏は身を起こし、立ち上がった。
シュ「われわれのターゲットは、本部で慎重に審議されて、決定される。決まると、その場所に地区リーダーが派遣される。
その間に本部は、買い手と交渉し、商談をまとめる。」
壁の隠し金庫に近寄ったシュンサクライ氏は、手をかざしただけでそれを開けた。そして、中から小さな箱を取り出し、ブラックメアリーが顔を出した。
シュ「このブラックメアリーも既に買い手が決まっている。売かかった金は、アフリカまのタンザニアで自警団を組織するために使われる。そうすることで、多くの人の命が助かるんだ。
これがハリーウィルソンの店頭に飾られているだけなら、ただの綺麗なルビー。だが、売られれば、多くの命が救われる、
我々マスクルージュは、後者を正しい道と考え、組織として富の移し替えを決定したんだ。」
皆が口をつぐみ、一心にシュンサクライ氏の話を聞いていた。反論は、出来なかった、、、
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桃桜月(プロフ) - 沢山のコメント、ありがとうございます。現実バタバタでなかなか進まないですけど、これからも、よろしくお願いします。 (2022年7月9日 21時) (レス) @page42 id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
椿姫 - すごい…!読んでてわくわくします。文ストもKZも大好きなので、嬉しいです。もう六週はしました!更新、頑張ってください!楽しみにしていますね。 (2022年6月29日 18時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
ミミィ - 面白かったです。頑張ってください。 (2022年5月28日 19時) (レス) @page29 id: bfe81bac03 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!!! (2022年1月14日 22時) (レス) @page7 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください。楽しみに待ってます! (2021年12月10日 21時) (レス) @page3 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃桜月 | 作成日時:2021年12月9日 21時