34話 ページ33
シュンサクライ氏は、目を見開いた。
シュ「君は、透視能力者か?」
その言葉に坂口さんもピクリと反応し、またもやAちゃんを凝視。Aちゃんは、首を横に振った。
翼「近いかもしれません。ついでに言うと、あなたは世界を舞台に暗躍する宝飾品窃盗団マスクルージュの極東地区リーダー。日本に来たのは、ブラックメアリーを盗むためです。そうでしょ。」
シュンサクライ氏は、不適な笑みを浮かべた。
シュ「面白い話だね、それで?」
若武が立ち上がり、よっかかっているAちゃんの前を通り過ぎ、窓に歩みよって、こちらを振り返った。
若「あなたが子供の支援者なら、聞いて欲しいことがあります。そこにいる砂原は、俺たちの友人です。友情で結ばれてる、だから砂原を助けに来たんです。」
私の隣で上杉君がニヤッと笑った。
上「いよいよ、若武劇場の開幕らしいぜ。」
ここから、どう話を持っていくのか、期待と不安で鼓動が高まってゆく。
砂「砂原は、恵まれない環境で育って、自分と同じように恵まれない友人たちを支えようとしています。でも、その1人がシュンサクライさん、あなたの部下に誘われて、ブラックメアリーを盗む手引きをしたんです。」
砂原は、すっと青ざめた。
砂「嘘だろ。まじかよ?」
まるで心をえぐられたみたいな顔で私に聞く。私は、頷くしか無かった。
砂「マジ、か。まいった、、、。」
砂原が両目をおおって、天井を仰いだ。
若「シュンサクライさん。」
若武がここぞとばかりに声に力を入れる。
若「あなたのしたことが俺の友人にどれほどショックを与えたか、ご覧になりましたよね。あなたは、子供を支援する一方で、窃盗を指揮している。
砂原の心を軽くするために、砂原の友人の罪を軽くするために、ブラックメアリーを取り戻しに来たんです。
だから、子供を支援すると言うなら、今ここでブラックメアリーをこちらに渡して頂けませんか?
そのこと自体が、犯罪者になってしまった子や、砂原への素晴らしい支援になるはずです。」
若武の弁舌は、とても冴えていた。
若「子供の支援を志しているあなたは、優しい人だと思
います。その心に訴えたい!どうか、ブラックメアリーを返して、砂原の友達を救って下さい!」
若武は、口をつぐみ、舞台役者のようなお辞儀をした。
シュ「わかった。」
シュンサクライ氏は、キッパリと言って立ち上がった。
シュ「部下の過ちは、私の責任だ。正し、条件が3つある。」
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桃桜月(プロフ) - 沢山のコメント、ありがとうございます。現実バタバタでなかなか進まないですけど、これからも、よろしくお願いします。 (2022年7月9日 21時) (レス) @page42 id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
椿姫 - すごい…!読んでてわくわくします。文ストもKZも大好きなので、嬉しいです。もう六週はしました!更新、頑張ってください!楽しみにしていますね。 (2022年6月29日 18時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
ミミィ - 面白かったです。頑張ってください。 (2022年5月28日 19時) (レス) @page29 id: bfe81bac03 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!!! (2022年1月14日 22時) (レス) @page7 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください。楽しみに待ってます! (2021年12月10日 21時) (レス) @page3 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃桜月 | 作成日時:2021年12月9日 21時