4話 ページ4
若「探偵チームKZのリーダーである俺の勘が、事件を嗅ぎとっている。こんな時間に急いで飛び出してきた男のポケットから仮面が落ちたとなると、これが事件でないはずがない!」
上杉君が冷ややかな視線を黒木君に流した。
上「おい分かるか?」
黒「若武先生独特の論理だ。通訳がいるね。」
若「小塚、その仮面、分析してなんでもいいから見つけろよ。」
そこに翼が戻ってきた。
翼「逃がした。待たせてあった、車に乗って逃走だ、くそっ!」
上「なんだったわけ?」
俯いていた顔を上げ、青あざのついた頬をゆがめた。
翼「さっき、立花にぶつかったやつは、今朝俺たちバスケ部員を襲ったやつだ。」
え?!
翼「今朝は、目出し帽被ってて顔は見えなかったけど、匂いでわかったんだ。」
若武が勝ち誇ったような声を上げる。
若「ほら見ろ、事件だろ。」
上「だから、なんの事件なんだよ。美門を襲ったてことしか、事件じゃねーよ。」
若「いや、この影にはもっと大きな事件がひそんでいるに違いない!」
上「そのぐちゃぐちゃな頭を何とかしろ。」
若「どこが、ぐちゃぐちゃなんだよ。」
上「お前ねぇ。」
上杉君は、今までに見たことの無いほど、もどかしげな顔になって、若武を睨んだ。
上「美門が襲われたことしか、事件にはならない。立花に怪我は無いんだし、ぶつかっても謝らない無礼なやつが落としただけだろ。」
上「美門が襲われたことに関しては、手を貸すよ。だが、お前の妙な勘に引きずり回されて、得体の知れないコスプレ仮面に付き合わされることに使う時間は、俺にはない。」
上杉君の論理整然とした言い方に反論の余地はなかった。
若「俺が言いたかったことは、上杉調査員が言ってくれた。美門翼、彼を襲ったやつへのリベンジだ。犯人をあぶりだす為にみんなで力を合わせよう。
事件名は、美門襲撃リベンジ事件だ。」
ちゃっかりといいとこ取り!
そんな若武に私たちは、唖然とした。上杉君なんかもう、脱力状態で、私たちは見つめるばかりで何も言えなかった。
Aside.
安「久しぶりですね、A。」
A「ええ。それで、割り出しは?」
安「順調ですよ。彼です。」
安吾さんが、ヒラリと資料を私に手渡した。
A「へぇ、にしても上手く潜り込んだわね。」
安「そうですね。」
A「まあ、それも今日で終わり。彼はもう私の登場人物の1人。残すは最終章だけ、楽しみね。」
ニヤリ、赤い目が勝ち誇ったように細められた。
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桃桜月(プロフ) - 沢山のコメント、ありがとうございます。現実バタバタでなかなか進まないですけど、これからも、よろしくお願いします。 (2022年7月9日 21時) (レス) @page42 id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
椿姫 - すごい…!読んでてわくわくします。文ストもKZも大好きなので、嬉しいです。もう六週はしました!更新、頑張ってください!楽しみにしていますね。 (2022年6月29日 18時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
ミミィ - 面白かったです。頑張ってください。 (2022年5月28日 19時) (レス) @page29 id: bfe81bac03 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!!! (2022年1月14日 22時) (レス) @page7 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください。楽しみに待ってます! (2021年12月10日 21時) (レス) @page3 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃桜月 | 作成日時:2021年12月9日 21時