13話 ページ12
若「これは、サプライズだぜ。アポありのサプライズなんて、有り得ねぇだろーが!!」
揉める2人をよそに黒木君が着々と話を進め、1番早い日にアポイントを取ってもらった。といっても、来月までいっぱいらしいけどね。
受「お取りしたアポの日時控えです。どうぞ、お持ち下さい。」
黒木君が受け取り、お礼をいって私たちを見回した。
黒「仕方ない、引き上げよう。」
小塚君が、ほらねといった顔つきで私を見る。でも、私は若武がなにかするんじゃないかと思っていた。
その予想は、ピッタリ。若武は、1階のロビーに降りてから、私たちを呼び止めた。
若「砂原の迷惑になるかもしれないと思っていただけど、仕方ない。最終手段だ。直接、電話して交渉する。」
小塚君は、無理させそうで、可哀想だと最後まで心配したけど、それは杞憂だった。
若「全然、出ねぇや。」
上「仕方ねぇじゃん。今日は、ついてなかったってことで。」
若「もう1回だ!」
若武が夢中になって、電話をかけているその間。翼が上杉君に近づき、耳打ちする。上杉君は、目を細め、首を振った。翼は、少し不満げだったけど、コクリと頷いた。
みんなが帰ろうと、駅へ足を向けたその時だった。ずっと、黙っていた翼が声を上げた。
翼「あの赤い仮面を落としたやつ、ここに来てるよ。」
私たちは、一気に緊張した。
もしかして、上杉君に耳打ちしたことってこれ?!
若「マジかっ!!」
翼「あの社長室直通のエレベーターの近くの壁から、あいつの臭いがした。」
それっめ、つまり。捜査中のふたつの事件には、砂原がかかわってるってこと?!
そんな考えが過り、今までピカピカに見えたロビーは、雲がかかったように薄暗くみえた。
上「おもしれーじゃん。」
そう言った上杉君の顔も、少し残念そうだった。若武も、黒木君もみんなが、黙ったままだった。それは、すごくショックな可能性だった。
小「きっと事情があるんだよ。」
シーンとした中、翼のジャケットの内ポケットが振動した。翼の着メロは、国家君が代。
翼「はい。」
Aside.
坂「ほとんど、収穫はなしですか。Aに無理をいってアポイントを取ってもらったのに。
すみません。」
A「元々、予想してたでしょ?それに、不確定要素を取り除くためだけに会いに行っただけ。」
坂「にしても、彼らAの友人でしょう?」
A「昔のね。、、、もう、終わった話よ。」
そう、もう終わった話なの。
自分の中でそう繰り返した。
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桃桜月(プロフ) - 沢山のコメント、ありがとうございます。現実バタバタでなかなか進まないですけど、これからも、よろしくお願いします。 (2022年7月9日 21時) (レス) @page42 id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
椿姫 - すごい…!読んでてわくわくします。文ストもKZも大好きなので、嬉しいです。もう六週はしました!更新、頑張ってください!楽しみにしていますね。 (2022年6月29日 18時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
ミミィ - 面白かったです。頑張ってください。 (2022年5月28日 19時) (レス) @page29 id: bfe81bac03 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!!! (2022年1月14日 22時) (レス) @page7 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください。楽しみに待ってます! (2021年12月10日 21時) (レス) @page3 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃桜月 | 作成日時:2021年12月9日 21時