検索窓
今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:19,467 hit

13話 ページ12

若「これは、サプライズだぜ。アポありのサプライズなんて、有り得ねぇだろーが!!」

揉める2人をよそに黒木君が着々と話を進め、1番早い日にアポイントを取ってもらった。といっても、来月までいっぱいらしいけどね。

受「お取りしたアポの日時控えです。どうぞ、お持ち下さい。」

黒木君が受け取り、お礼をいって私たちを見回した。

黒「仕方ない、引き上げよう。」

小塚君が、ほらねといった顔つきで私を見る。でも、私は若武がなにかするんじゃないかと思っていた。
その予想は、ピッタリ。若武は、1階のロビーに降りてから、私たちを呼び止めた。

若「砂原の迷惑になるかもしれないと思っていただけど、仕方ない。最終手段だ。直接、電話して交渉する。」

小塚君は、無理させそうで、可哀想だと最後まで心配したけど、それは杞憂だった。

若「全然、出ねぇや。」

上「仕方ねぇじゃん。今日は、ついてなかったってことで。」

若「もう1回だ!」

若武が夢中になって、電話をかけているその間。翼が上杉君に近づき、耳打ちする。上杉君は、目を細め、首を振った。翼は、少し不満げだったけど、コクリと頷いた。
みんなが帰ろうと、駅へ足を向けたその時だった。ずっと、黙っていた翼が声を上げた。

翼「あの赤い仮面を落としたやつ、ここに来てるよ。」

私たちは、一気に緊張した。
もしかして、上杉君に耳打ちしたことってこれ?!

若「マジかっ!!」

翼「あの社長室直通のエレベーターの近くの壁から、あいつの臭いがした。」

それっめ、つまり。捜査中のふたつの事件には、砂原がかかわってるってこと?!
そんな考えが過り、今までピカピカに見えたロビーは、雲がかかったように薄暗くみえた。

上「おもしれーじゃん。」

そう言った上杉君の顔も、少し残念そうだった。若武も、黒木君もみんなが、黙ったままだった。それは、すごくショックな可能性だった。

小「きっと事情があるんだよ。」

シーンとした中、翼のジャケットの内ポケットが振動した。翼の着メロは、国家君が代。

翼「はい。」


Aside.
坂「ほとんど、収穫はなしですか。Aに無理をいってアポイントを取ってもらったのに。
すみません。」

A「元々、予想してたでしょ?それに、不確定要素を取り除くためだけに会いに行っただけ。」

坂「にしても、彼らAの友人でしょう?」

A「昔のね。、、、もう、終わった話よ。」

そう、もう終わった話なの。
自分の中でそう繰り返した。

14話→←12話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
87人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桃桜月(プロフ) - 沢山のコメント、ありがとうございます。現実バタバタでなかなか進まないですけど、これからも、よろしくお願いします。 (2022年7月9日 21時) (レス) @page42 id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
椿姫 - すごい…!読んでてわくわくします。文ストもKZも大好きなので、嬉しいです。もう六週はしました!更新、頑張ってください!楽しみにしていますね。 (2022年6月29日 18時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
ミミィ - 面白かったです。頑張ってください。 (2022年5月28日 19時) (レス) @page29 id: bfe81bac03 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!!! (2022年1月14日 22時) (レス) @page7 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください。楽しみに待ってます! (2021年12月10日 21時) (レス) @page3 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桃桜月 | 作成日時:2021年12月9日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。