探偵チームＫＺ事件ノート×文豪ストレイドッグス。ハート虫は知っている。

36話 ページ36

マンションを出てすぐだった、若武の携帯に連絡が入ったんだ。若武は、咄嗟に自転車を止め、私も黒木君もブレーキをかけた。

若「はい、若武。じゃ、10時にこの間の裏口に集合だ。いいな。」

若武は、電話を切り、それを後ろのポケットに押し込みながら勝ち誇ったような笑を浮かべた。

若「院長の回診日は、今日だ。掲示板に張り出されてたのを、美門が覚えてたんだ。よって、今夜から明日の朝にかけて、また1人、殺される。」

翼、すごっ！

若「犯行は、看護師の見回りがすんでからだ。俺たちは、10時に裏口に集合して、老人専用病棟に潜んで、院長を待つ。」

ゴクン。

若「出来れば、人工呼吸器の酸素濃度を落としている瞬間を撮影する。無理なら、酸素濃度が落ちている人工呼吸器を写す。
俺と黒木、上杉でやる。小塚は分析中だから、集合はかけない。美門は、連絡係、アーヤは、補佐。坂口は、しらん。」

Aちゃん、どうしたんだろう。連絡がつかないなんて心配だなあ。上杉君も何も知らないみたいだし。黒木君が知ってたりしないのかな？
私の心の声が通じたのか、黒木君も知らないと言わんばかりに肩をすくめた。

黒「皆、10時に集合できるの？秀明の最後の授業、10時すぎるよな。俺は、フケるからいいけど。アーヤなんか、途中でぬけられないんじゃないか？」

若「俺もフケる。来れないやつは、来なくてもいいことにしよう。10時になったら、集まってる人間だけで潜入する。最悪、俺と黒木先生がいれば、なんとかなるだろ。」

黒「まあね。」

黒木君は、肩をすくめた。さっき、役に立てなかったから、どうにか役に立ちたい。もし、また役に立てなくても、参加すること自体が自分の意思を示すことなんだ。
問題は、どうやって抜け出すか、なんだよなあ。あーあ、こういう時Aちゃんが、いつも相談にのってくれてアドバイスをくれるのに。

若「じゃ、後で。」

若武たちと別れて、私は家に戻り、秀明に向かった。どうしたら。10時の集合に遅れないようにできるだろう。今日の最後の授業は国語だから、欠席しても、大丈夫だけど、欠席は、保護者からの連絡が無いとできない。早退もおんなじ。
だから、早退と欠席以外じゃなくちゃ。となると、倒れるしかない。倒れて、医務室に連れて行ってもらうんだ。事件ノートは、ウエストに突っ込んでいけばいい。そして、教官が、出ていったらこっそり脱出するんだ。
総合病院は、5分もかからないし、よしっ！！
それでいこう！！

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