2話 ページ2
A「見せてあげたら?」
翼「そうだね、じゃあ立花見てて。」
翼は、立ち上がり両手をスボンのポケットに入れると、目をつぶって教室の出入口に向かった。たくさんある机の間をまるで見えているみたいにスイスイと通っていく。
ああ、ぶつかる。そう思っても、すっと避けていくんだ。私は、目を見張った。だって、すごいじゃん!!
翼「これは、努力してできるようになったわけじゃないから、本当の才能。」
立「すごいっ!目をつぶってるのにどうして見えるの?」
翼は、ちょっと笑った。
翼「見えてないよ、匂いで分かるんだ。」
匂い?
翼「ここには机がたくさんあるだろ。そこから匂いが出ている。机がないところからは、空気の匂いがする。ドアからは、ドアの匂いがするしね。だから歩ける。」
私は、目がまるまるになってしまった。
翼「試してみる?A。」
A「はいはい、目をつぶって。いくわよ、立花さん。」
Aちゃんが、Vサインをする。
翼「2本。」
えっ!私は、驚きそんな私を横目に、Aちゃんが、それに薬指を加える。
翼「3本。」
すごっ!!Aちゃんが、両手を開いて突き出した。
翼「10本。」
うーん、完璧!!
A「最初に指一本の匂いを覚えて、それを基準にするのよ。」
すごい特殊能力だ!!
翼「でも、こんな才能使わないだろ。逆に感じ過ぎて困る。」
A「あのねぇ、出会った頃に言ったこと、忘れたの??タクにとって要らない能力でも、それを欲しがる人だっているのよ。私だってそう。必ず、絶対に役立つわ。
その才能の使いようによっては、人の命も救えるんだから。」
立「Aちゃんの言う通りだと思うよ。人ができないことができるのは、すごいことだよ。それを生かすチャンスだって今にきっと来るよ。」
すると翼は、その綺麗な目で私をじっと見つめて、クスッと笑った。
翼「Aは昔からだけど、立花も結構良い奴だよな。」
私はわなんと言っていいのか分からなくてあわてて言った。
立「じゃ、もう行くから。Aちゃんも、行くよ!!遅刻しちゃう。」
A「あら、忘れてた。」
私は、Aちゃんの腕をがしりと掴み出口に引っ張る。
A「そんな引っ張らなくても、ちゃんと行くわよ。じゃあね、タク。」
翼は、ゆっくりうなずいた。
翼「ああ。また、な。」
そう言って長いまつ毛を伏せたけど、その顔にはまだ微笑みが残っていた。
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桜月(プロフ) - 文ストのみんなとKZの絡みがめちゃめちゃ最高で読みながら思わずにやけが止まりませんでした、(*´▽`*)夢主ちゃんカッコいいし可愛いし、、続きがめっちゃ気になってソワソワしてます、笑笑これからも楽しみにしてます!!更新、大変だと思いますが頑張ってください! (2021年10月19日 1時) (レス) @page47 id: 7e00bd4097 (このIDを非表示/違反報告)
天海 - 控えめに言って神だ、、、この作品を作ってくれてありがとうございます!!続き楽しみにしてます! (2021年9月2日 3時) (レス) id: 77f956d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
桃桜月(プロフ) - 皆さん、ご感想ありがとうございます。すごく、嬉しかったです!! (2021年8月19日 9時) (レス) id: 8c24d7f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
れー - 双黒出てきたのがまじやばかったです!!その場で発狂して家族に白けた目で見られるしまつです…w真逆見れるなんて!!カッズと文スト大好きなので嬉しいです!ほんまもうすぐクライマックスっすか!?楽しみにしてます!!!! (2021年8月15日 22時) (レス) id: b5e633d6ad (このIDを非表示/違反報告)
shi69mahuro4ki(プロフ) - すっごい面白いです!のコラボ小説いいですね!続き楽しみにしています! (2021年8月9日 18時) (レス) id: 4ed5b60c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃桜月 | 作成日時:2020年11月13日 20時