邪魔者 ページ9
椿side
夕食のあと
私は湯浴みの準備をしていました。
せいら様のため、花様のため
私の愛する方のため。
暖かく、一日の疲れを取って頂けるよう
しっかりと準備をしました。
そして、せいら様をお呼びしにいきました。
途中、メイド長のユヅキさんに会いました。
「ツバキさん」
「なんですか?」
「何だか怖い顔をしていますよ。何かあったんですか?」
「いえ、何も。せいら様をお呼びしに行ってきますので失礼します」
「あっ、ツバキさん!」
ユヅキさんに会ってしまった。
せいら様のことしか考えていなかったのに。
「せいら様、私でございます」
「ツバキお兄ちゃん?入っていいよ」
「失礼いたします」
私はお部屋に入りました。
花様の傍には、憎いヒメノさんがいました。
そこから離れてほしいものです。
その場所は私のもの、ですから。
「お風呂が湧きました。湯浴みをお願い致します」
「う、うん……」
「?どうかされましたか?」
「ううん、何でもないよ。」
すると下を向かれました。
恐らくせいら様にお代わりになるのでしょう。
「ヒメノさん、そんなところに突っ立ってないで仕事をしてください」
「かしこまりました」
ったく、ヒメノさんは。
あぁ、憎い。
なぜ私とせいら様の世界に入って来たのでしょう。
「あら、ツバキ。何かしら」
「湯浴みをお願い致します」
「わかったわ。」
私はせいら様の後ろに付いていきました。
なんとなく後ろにヒメノさんがいる気がしたので、こう言いました。
「あなたはせいら様が気持ちよくお眠りになるように整頓をお願いします」
私とせいら様の空間を邪魔させたくないからです。
「…かしこまりました」
あなたは家事だけしていればいいものを。
本当に身の程をわきまえて欲しいですね。
せいら様、花様のお傍は私の場所なのですから
早く元通りの仕事に戻って欲しいです。
と言っても無駄なことは分かっています。
なんせ、せいら様のご命令ですからね。
今すぐにでも説得をしたいものです
…私はせいら様のお着替えを浴室に置いて
部屋の外で待機することにしました。
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作者名:さくや@執事・メイド | 作成日時:2018年9月26日 10時