これ以上… ページ28
椿side
「………ツバキさん…。そんなことがあったのですね」
あなたなんかに、
この気持ちが分かるものですか。
「旦那様の仰せに従い、私はせいら様への気持ちを押し殺しました。優しくしてしまうと気持ちが溢れ出てくるので、わざと冷たくしたのです。」
「……なるほど……。それはお辛かったですね…」
あなたに言われても
慰めだなんて思いませんよ。
せいら様にその言葉を言われたいですね。
「……ありがとうございます、ツバキさん。打ち明けてくださって」
あなたを許して打ち明けたとでも??
…そんな訳ないじゃないですか。
私がした無視よりも、もっと辛いことを
してあげますよ、ヒメノさん。
「……いえ」
「ツバキさんのお気持ちは私からせいら様にお伝えしますね。」
あなたがせいら様に?
……せいら様がご指示なさった…ということですか。
…止めてみせる。
…必ず私からせいら様にお伝えします。
…もうこれ以上、あなたがせいら様や花様のお傍に仕える姿、見たくありませんから。
「……いつお伝えするのですか?」
「…明日にしようかと思ってます」
明日…ですね。
「…そうですか。では失礼します」
「…はい」
私はユヅキさんの部屋を退室しました。
そしてお風呂の準備をしに行きました。
数分後、お風呂の準備を終えた私は
せいら様のお部屋に向かいました。
「せいら様、私でございます。」
「何かしら」
「湯あみをお願い致します」
「分かったわ」
せいら様をお風呂へご案内し
湯あみをして頂きました。
そしてお部屋に戻り、
就寝なさいました。
特にこれといった会話はしませんでした。
…明日
…明日、必ず、私が直接、せいら様にお伝えするのです。
…ヒメノさん、待っていてくださいね
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作者名:さくや@執事・メイド | 作成日時:2018年9月26日 10時