何がダメ？ ページ11
椿side
せいら様が湯浴みに行かれました。
私は憎いヒメノさんに指示をし
私とせいら様の空間を作りました。
せいら様のお上がりを待っていると
ヒメノさんが来ました。
「ツバキさん、ベッドの整頓が終わりました」
「そうですか。あとは私に任せて、もう休んでください」
「かしこまりました」
これからはせいら様と私だけの時間。
するとせいら様がお上がりになりました。
浴室から出てこられたせいら様。
「湯加減などいかがでしたか？」
「ちょうど良かったわ。さすが私のツバキね」
「お褒め頂き、光栄です」
そんなこと、当たり前ではないですか。
その言葉、私だけに言って欲しいです。
ほかの者になど言って欲しくないものです。
花様でさえも。
そしてせいら様をお部屋にご案内して
ベッドに横になるよう促しました。
「ツバキ」
「はい」
「眠るまで手を握っていてちょうだい」
「かしこまりました」
もちろん。
あなたが眠るまで、いや、
いつだってあなたの手を握っておりますよ
私がいればそれでいいはずなのに
本当に憎い方ですね
「ツバキの手は暖かいわ」
「当然でしょう？私の手は、せいら様のためにあるのですから」
「ふふ、そうね。だけれど、あなたは本当に私のことを思っているのかしら」
何を仰っているのです。
当たり前ではありませんか。
私はこんなにもせいら様のことを思っております。
「えぇもちろん」
「そう。ダメね、あなたは。」
ダメ？何がダメなのです？？
「何がダメなのですか？」
「言わないわ。自分で考えなさい」
「せいら様」
「もう疲れたから休ませて」
「………かしこまりました。おやすみなさいませ」
「えぇおやすみ」
私のどこがダメなのです？？
私はいつでも、どんなときも
せいら様を思っているのに。
何を直せと言うのです？
せいら様、教えてください。
あなたのためなら何でも直しますから。
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作者名：さくや＠執事・メイド | 作成日時：2018年9月26日 10時
