奥様と旦那様 ページ41
ヒメノside
特に用は無いのですが
奥様のお部屋の近くにきました。
すると、奥様と旦那様のお声が聞こえてきました。
「あなた、せいらとツバキの仲を認めてあげなさい」
「許さん!絶対に認めないぞ!!」
「あなた…!!」
奥様と旦那様が言い争いをなさってますね…
あ、立ち聞きとかではありませんからね??
「私たちも、そうでしょ?私はあなたに仕えるメイドだった。あなたは私が仕える主人だったわね」
えっ?
奥様が旦那様にお仕えしていた…?
そう聞こえましたよね。
そうだったのですか…
「それがなんだって言うんだよ!」
「私はメイドながら、あなたを慕っていた。私が悩んでいた時や元気が無かった時、あなたは話を聞いたり笑わせてくれたじゃない。私、その時に思ったの。この人なら好きになれるって。」
「…………」
そのようなことが…
「あなたのことをとても慕っていたわ。お義母様に伝えた時、ダメだって言われたわよね。私、その時すごく辛くて、もうあなたには仕えることができなくなってしまうのではって思ったのよ?…でもそんな私を元気づけて、前を向かせてくれたのは、あなただったじゃない。」
「…そうだったな」
「あなたも辛い思いをしていただろうに、私を元気づけて、より幸せにしてくれたのよ。あなたには感謝してもしきれないわ。」
「……」
「ねぇあなた、私たちがした辛い思いを、せいらとツバキにもさせるつもり?あんな、辛くて寂しい思いを、あの子達にさせるつもりなの!?」
「………」
「私だったらさせたくないわ。あの子達を苦しめたくないもの。好きになった人と一緒になるべきだと思わない?将来のことを考えてくれてるのは分かるけれど、もっと大事なことがあるでしょう?」
「……わかった。もう一度考えてみよう」
「そうしてくれると有難いわ。あとは、せいら本人に言ってあげなさいね」
「あぁ。」
奥様がお部屋から出てこられた。
奥様、カッコイイ方ですね。
流石です、奥様。
では旦那様のご決断を待つと致しましょうか。
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作者名:さくや@執事・メイド | 作成日時:2018年9月26日 10時