ありがちなトリップをしてしまった！3

丁か半か ページ6

ザリ、ザリザリザリ

「んっ、ふふふふふふ」

牢屋の中には水色の髪の、痩せ衰えた体
の女が1人。狂った笑い声を上げながら、
ヒビの入った椀を掻き混ぜている。

ザリザリザリ

「んふふっ、あははははははは」

ザリザリザリ

「んふふっ……………丁か半か……？」

(威)「じゃあ、丁。」

カラン、

「んふふ、んー。半じゃ。」

知ってる！このシーン原作で見た事あるぞ…

(威)「ありゃりゃ、負けちった。」

(阿)「嘆かわしいねぇ。春雨第4師団
　 第4師団団長と言えば、かつては
　 闇に咲く一輪の花なんぞと呼ばれ
　 ていたもんだが、派閥争いで居場
　 所を失い、組織の金持ち逃げして
　 何処に姿消しちまったかと思って
　 たら、まさかこんな姿でご帰還
　 たァねェ………。」

(威)「ほんとだねぇ。まさか阿伏兎
　 の好みがこんな女狐だったなん
　 て…」

(阿)「はっ、ガキには分かるまい。
　 世の中なんでも手の平サイズ、
　 コンパクト時代になっちまった
　 がねェ、女だけは手に持て余す
　 位がちょうどいいんだ。
　 なぁ嬢ちゃん？」

(貴)「え、あ、うん。」

俺は何も言えず、神威と阿伏兎のやり
とりを黙ってみている事しか出来なか
った。原作通りだと言う感動、自分は
この中で何をすればいいのかという不安
ここからどうなるか未来を知っている。
だけど、それを教えてしまうと原作を
引っかき回すことになる。
黙って流れに任す事しかできない。
そして、この話はうろおぼえで良く
覚えていない。この女誰だ。

(威)「DSくらい？」

(阿)「いんや。メガドライブ位だ。」

(威)「なる程、道理で今まで探し回って
　 も見つからない訳だ。なんせ阿伏
　 兎お気に入りのメガドライブだも
　 んね。でもあっちにも居場所はな
　 かったみたいだね。博打が好きだ
　 ね、彼女も。お前も。」

神威の黒い笑顔に思わず鳥肌が立った。
実感した、この世界は間違いなく銀魂だ
。今まで浮ついてて気づかなかった。
そうだ、俺がいるのは可愛い妹がいて、
家なんか継ぎたくないって文句を
言ってたあの世界じゃない。下手したら
死にかねない銀魂の世界なんだ。
そうだ、下手したら死んじまう。

(阿)「おい、妙な勘ぐりはやめろ！
　 どっかのバカ団長じゃねぇんだ。
　 仕事にそんな私情持ち込んでたま
　 るか！」

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