ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 外伝

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(貴)「えっと、いきなりですけど、俺
　 の親、犯罪者なんすよ。殺人と
　 か強盗とか繰り返してる前科持
　 ちで。」

平気でものを盗み、人を騙し、それを
あたかも手柄のように語る。本当にク
ズだった。

(貴)「それで、日本にいられなくなっ
　 て海外に高飛びしたんス。兄貴
　 と俺と姉貴連れて。その時は俺
　 がまだ2歳くらいで。」

アメリカ、イギリス、フランス、中国
、イタリア。タイやフィリピンもだ。

(貴)「ひどい生活でした。毎日毎日あ
　 いつらが飽きるまで殴られ続け
　 て。最初は盗んだ金があったか
　 ら生活出来てましたけど、その
　 金が尽きたら、あの、野郎共、
　 姉貴に、身体、売らせて、」

思い出し、かっと頭に血が上る

「いやあ゛っ！こっち来ないでっ！
　離して、離して！母さん！助けて！
　父さんっ！」

延々と、姉貴の泣き叫ぶ声が聞こえて
た。ボロ雑巾みたいになるまで無茶苦
茶にされて。小さ過ぎて何も意味は分
からず、そもそもはっきり思い出せて
もいないのだ。ただひたすら、姉貴の
声と兄貴が止めようと大人につっかか
っていったのが部分的に記憶に残って
いるだけ。

その場にいる全員が眉に皺を寄せる。
広瀬が、なんて酷い、と呟くのが聞え
た。

(貴)「長い長い、地獄みたいな日々
　 だった。でも、ある日変わった
　 んです。ここからは、アンタも
　 関係のある話ですよ、空条承太
　 郎さん。」

びくりと反応する空条さん。

(承)「俺に関係だと？」

(貴)「はい、エジプトに行った時で
　 す。」

ピタッ、と固まる空条承太郎。

(貴)「とうとう金が無くなって、姉貴
　 もボロボロになっちまって。
　 で、俺、売られたんすよ。」

(露)「売ら、れた？」

(貴)「はい、道端の商人に、数万か
　 そこらで。」

(仗)「………っ、酷ぇっ、金がねぇから
　 って自分の子供を……」

(貴)「でも、ろくに飯も食わされてね
　 ぇから使い物にならなくて、」

直ぐに捨てられた、道端に。

(貴)「何処に居るかもわからないまま
　 歩きました。3歳の子供がです
　 よ。よく分からねぇ
　 言葉に、砂埃だらけの道。」

ふらふらと当てもなく歩き続け、ある
建物を見つけた。

(承)「ある建物？」

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