39 ページ39
俺を恐れているこの少女に、断れる
筈が無いのだ。我ながらなんとずるい
やり方だろうか。
怯えた目で大丈夫だと返事をした少女
を見て大きく溜息をつき、帽子を深く
かぶりなおした。
「…………やれやれだぜ。」
※ここからは誰視点でもありません
(承)「じゃあ、質問を始める。どうし
ても嫌な事は答えなくていい。」
一見優しいその言葉だが、何処か嫌と
は言わせない雰囲気を纏っている。
(承)「名前は上条雪音、15歳。
間違いないな？」
同意を求めるように雪音を見る承太
郎。早く答えろと言わんばかりの目
付きに、雪音の背中にぞわりと鳥肌が
たった。
(貴)「ま、間違いないです。」
(承)「3歳から4歳まで、国外にて行
方不明になっている。」
ドキリと雪音の心臓が跳ねた。
その間は、その間の事だけは、絶対に
知られてはならないのに。
(承)「その間の事を話すのを君は拒否
している。是非その間の事を聞
かせてもらいたい。」
淡々と話を続ける承太郎。その冷静な
態度が着々と雪音を追い詰めていく。
学生3人と、尊敬する先輩漫画家の訝
しげな目。逃げられない。
雪音の額に脂汗が浮かぶ。
(承)「随分と、汗をかいているんだ
な。羽織っているのを脱いだら
どうだ？」
大人しく上に羽織っていた自身の制服
を脱ぐ。こんな簡単な提案一つにも、
断ることが出来ない。
濡れた髪が首にまとわりついてうっと
おしい。汗のせいだろうか。
髪を軽くかきあげる雪音。その時、驚
くべき物が承太郎の目に入った。
一瞬、思考が停止する。何故だ、何故
この少女が、この星形の痣を持ってい
る。この痣はジョースター家しか持ち
得ない筈なのに。
しかし、康一から電話を受けた時から
抱いていた違和感にも筋が通る。
ジョジョというアダ名、引きつけられ
る感覚。同じジョースターの血が流れ
ているからこそだったのだ。
(仗)「承太郎さん？どうかしました？」
不安そうに顔を覗き込む年下の叔父。
(承)「大丈夫だ。何でもねぇ。」
返事をしてから、少女の方へと向き直
る。
(承)「君の事を…電話で聞いた時から
何か引き寄せられる様な、不思
議な感覚がしていた。」
承太郎の話に首を傾げる雪音。意味が
理解できない。感覚？なんの話だ。
(承)「予感だった物が、確信に変わっ
た。確認の為に、君の首筋をみ
せて欲しい。構わないな？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橙(プロフ) - nonsukeさん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (2017年5月7日 17時) (
レス) id: 9c13238bd1 (このIDを非表示/違反報告)
nonsuke(プロフ) - 更新楽しみにしています!! (2017年5月7日 17時) (レス) id: 489cde0136 (このIDを非表示/違反報告)
橙(プロフ) - リルスさん» だろぉ？（￣＾￣） ﾄﾞﾔｯ!すいません調子乗りました。読んでくださって誠に感激です！スタプラとクレD、ザハンドによしよしされながらヘブンズとエコーズをよしよしする。最高のシチュ！すいません願望が……。これからも更新を頑張りますので宜しくお願いします！ (2017年5月1日 16時) (レス) id: 9c13238bd1 (このIDを非表示/違反報告)
リルス(プロフ) - スタンドがすぐ近くにいるとか…、グレート…！ (2017年5月1日 14時) (携帯から) (レス) id: 5254e9f568 (このIDを非表示/違反報告)
橙(プロフ) - リルスさん» ありがとうございます！感激です！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！4部少ないですよねぇ…… (2017年4月10日 20時) (レス) id: 9c13238bd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：素振りをする素振り | 作成日時：2017年3月11日 10時
