E 'il destino!!!【ジョジョ】

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(億)「そう言えばそうだなー、よし、
　 行こうぜ康一ィ。康一？」

話し掛けたが、答えない康一を不思
議に思い、目をやる。

(仗)「？何見てんだ？康一。」

何処かをぼーっと見つめている康一。

(康)「あ、あぁごめん、いや、あの人珍
　 しい格好してるなって思って。」

そう言って康一が指差したのは10m程先
のコンビニの出口から出てきた人物。

男か女かは分からない。

(仗)「確かにあんまり見ねぇカッコだ
　 なー。」

肩位までの髪で、細身に合わない位の
緩い大きなベルトでズボンを留めてあり、
膝下位までの編み上げブーツを履いて
いて、大きめのカバンを肩からさげて
いる。

(康)「旅行者の人かなぁ？」

(仗)「かもしんねぇなぁ。」

康一の質問に緩く返事をして、結構美人だろうななんて
考えながら、その人物を見つめていた。

そのまま数秒見ていると、その人物が
地図らしきものを広げはじめて、なんだ
やっぱり旅行者か、と結論に至った。

その時、俺の目の端に走ってくるOLっ
ぽい女性が写った。その女性はかなり
急いでるようで、前を見ていない。

やべぇ！ぶつかる！

(康、億)「あっ、危ない/ねぇ！」

どうやら康一と億泰も見ていたらしく、
声を上げている。

ドンッ

(貴)「痛っ、」

10m程離れていた俺達は何も出来ず、
その人物と女性は派手にぶつかってカバ
ンの中身がアスファルトにぶちまけられ
た。

そして女性が持っていたコーヒーが
ぶちまけられた荷物にバシャリ。

(康)「あ〜ぁ、やっちゃった。揉めた
　 りしないかな？」

不安そうな康一。

(仗)「やべぇかもな。だって見ろよ、
　 パソコンにガッツリかかっちまっ
　 てるぜ。」

(康)「うわ！ほんとだ！ど、どうする？
　 止めたほうがいいかな？」

女性は必死に頭を下げて謝っている。
その人物は怒ったりする訳でもなく、
かなり落ち着いてるようだった。

(仗)「いや、大丈夫なんじゃねぇか？
　 普通に話してるみてぇだし。」

どうやらその人物は急いでいた女性に
先に行ってくれと言ったらしい。女性は
何度も頭を下げて、走って行ってしま
った。

(康)「荷物、大丈夫かな？」

女性が行った後、散らばった荷物に駆
け寄って調べ始めたその人物を見て、
康一が不安そうに呟いた。

パソコンについたコーヒーを拭き取り
電源ボタンを押しているらしいが、
やはり壊れているようで、電源はつか
ない。

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