混乱 ページ36
露「すまない。君が嫌なら、忘れてくれたっていい。仗助に応えると決めたならそれで構わない。本当に、すまない」
そんな、そんな目で俺を見ないでくれ
辛そうに歪んだ、そんな目で、おれを、
俺は、どうすればいい、どうすれば、
ぐにゃりと視界が歪んで、鼻の奥がツンとする。
露「…っな、雪、」
雪「おれ、おれ、えらばなきゃいけないんですか、おれ、ふたりにたすけてもらったのに、えらばなきゃいけないんですか、そんなの、そんなのいやだ、いやです」
露「待て、雪音、ぼくはそんなつもりじゃ、」
露伴先生を残して、部屋を飛び出した。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
知らなかった、露伴先生も仗助も俺を好きだったなんて、何も知らなかった
二人とも悩んで、俺の事を考えてたんだろうか、
外は雨が降り始めていて、次第に勢いを増している。
どうしたらいいのか分からない。
二人のあんな顔を、見たくない。
俺がそもそも関わらなきゃこんな事には、二人に頼り過ぎなきゃこんな事には…二人は、本気じゃないんだ、勘違いだ、俺が心配ばかりさせて迷惑を掛けるから、二人が優しいから、良い人だからそう思ってるだけだ、俺がどれだけ汚い人間か知らないんだ、
考えれば考えるほど涙が止まらなくなる。
二人の言葉を否定して、嘘だと決めつけて、
最初から一人でいれば、こんなに苦しむこともなかったのに、
あぁ、俺は自分が可愛いだけなんだ
皆みたいに、強くなれない
走って、走って、顔も髪も服もぐちゃぐちゃのまま、とにかく走って、気づけば、杜王ホテルの大きな坂の前に居た。
承太郎さん、承太郎さん……
ぜーぜーと息を切らしながら坂を登り、フロントの受付に部屋番号を告げた。
受付の女性は心配そうに、タオルお貸ししますか?と聞くが、枯れた声でいいえ、と返しエレベーターに乗り込んだ。
Side承太郎
フロントからの電話を取ると、上条様という方がお出でになってますと告げられる。
雪音が?一体何の用だとドアを開けると、そこにはずぶ濡れで立つ雪音の姿が。
承「…一体何があった、」
雪「…う…ぅ…じょう、たろ、さん、う、ぁ…」
その場に頽れてわんわんと声を上げて泣き出した雪音を、タオルで包み部屋に招き入れる。
一体何があったんだ、
雪「情けない、話、ですけど、」
承「良い、何でも話せ」
雪「仗助と、露伴先生が、俺を、好きだっていうんです、俺、どうしていいかわからなくて、」
そういう事か、と溜め息をついた。
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式姫 - この作品とても面白いです!!次回も楽しみにしていますね!更新ファイトです!! (2019年1月13日 0時) (レス) id: 9f64c044c4 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - キュアトロ推しさん» ふぉおなんと嬉しいお言葉!!!!感謝感激雨あられで御座います。°(°´ω`°)°。これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします!!! (2018年3月29日 1時) (レス) id: d64a7214eb (このIDを非表示/違反報告)
キュアトロ推し(プロフ) - ぅぅぅぅこの先がきになって仕方ないです…!こんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます!!!神作です!これからも応援してます!頑張って下さい!!!! (2018年3月29日 1時) (レス) id: bb8c54bc53 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - あんころもちさん» コメント有難うございます!!!!これからも露伴、仗助、雪音の絡みをたっぷり書かせて頂きますので何卒よろしくお願いします!! (2018年3月12日 20時) (レス) id: d64a7214eb (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - はうぅ〜…私も露伴のほっぺをつんつんしたり、ぷにぷにしたい〜雪音のほっぺをつんつん、ぷにぷにしたいよ〜(*´∀`*) (2018年3月12日 20時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:素振りをする素振り | 作成日時:2018年2月1日 22時