Side雪音 ページ34
仗助に、好きだと言われた。
冗談だと思ったが、仗助の辛そうに歪んだ顔を見て、すぐに違うと分かった。
本気で、俺に、恋をしたのか?
そんな筈がない。
これまで散々迷惑を掛けてきた。DIOの血をこの身に受けて、人間か吸血鬼か、男か女かさえも分からないちぐはぐな俺を、好きだと言うこの男が、信じられない。
でも、今止めなかったら仗助は二度と、俺と話してくれないような気がした。
きっと俺の事を避けて、関わらなくなる。
それだけは嫌だ。
雪「俺、俺分かんないよ、恋愛とか、好きとか分かんないよ、でも、嫌だとか、気持ち悪いとか全く思わなかった、だから、」
だから、チャンスを、チャンスをくれよ。
仗助の気持ちに応えさせて、
絞り出すようにそう言うと、仗助の目が驚いたように見開かれて、顔が真っ赤に染まる。
仗「ぅ、良いのかよ、それって、俺と」
雪「付き合いたい、俺も、お前と付き合いたい、そういう意味で、好きになりたいから」
仗助はしゃがみこんで顔を覆う。耳まで赤くなっていて、前言ってた純愛派ってのは本当だったんだ、なんて思いながら俺も目線を合わせようとしゃがみこんだ。
雪「それに俺、お前みたいに性格の良いイケメン逃したら多分、後で絶対後悔する。」
仗「ぁ、…恥っずい、チクショウ……」
雪「っはは」
仗「…ほんとにいいのかよ」
雪「うん……嬉しいよ、お前に告白されるなんて、本当に嬉しい。まだ恋愛とか、そういうの俺は分かんないけど。仗助がここまで俺の事を変えてくれたんだ、きっとまた、変われると思うから。仗助の気持ちに応えられるようになった時、俺はきっと幸せになれる、と、思う」
言ってたら何か恥ずかしくなって、今度は俺の方が顔が真っ赤になる。
バカみてーだ、
俯くと、ぎゅっと抱き寄せられる。
心臓がバクバクと音を立てて、
仗「好きだ、そういうのが、堪んねぇ……無表情だったのに、何も言わなかったのに、そうやって伝えてくれるようになってよ。笑顔も、泣くのだって、全部、全部愛おしくなる、好きだ、好きだ、好き、だ……」
痛いくらい俺の身体に食い込んだ腕が、仗助の気持ちを物語っていた。
嬉しい、嬉しい、
俺がこんなに、人に好かれるなんて、
夢にも思わなかった。
雪「あり、がとう、ありがとう…」
仗助は心の底から嬉しそうに笑うと、一緒に帰ろう、と俺の手を握った。
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式姫 - この作品とても面白いです!!次回も楽しみにしていますね!更新ファイトです!! (2019年1月13日 0時) (レス) id: 9f64c044c4 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - キュアトロ推しさん» ふぉおなんと嬉しいお言葉!!!!感謝感激雨あられで御座います。°(°´ω`°)°。これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします!!! (2018年3月29日 1時) (レス) id: d64a7214eb (このIDを非表示/違反報告)
キュアトロ推し(プロフ) - ぅぅぅぅこの先がきになって仕方ないです…!こんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます!!!神作です!これからも応援してます!頑張って下さい!!!! (2018年3月29日 1時) (レス) id: bb8c54bc53 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - あんころもちさん» コメント有難うございます!!!!これからも露伴、仗助、雪音の絡みをたっぷり書かせて頂きますので何卒よろしくお願いします!! (2018年3月12日 20時) (レス) id: d64a7214eb (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - はうぅ〜…私も露伴のほっぺをつんつんしたり、ぷにぷにしたい〜雪音のほっぺをつんつん、ぷにぷにしたいよ〜(*´∀`*) (2018年3月12日 20時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:素振りをする素振り | 作成日時:2018年2月1日 22時