放課後のデート ページ33
貴「ごめん、待ったか?」
後から声をかけられて、はっと顔を上げる。
仗「いや、いや!待ってねぇ、大丈夫、」
貴「ん、そうか、じゃあほら、行こうぜ」
二人でバスに乗り、他愛ない話をしてる間も
俺は億泰の言葉が頭から離れずにいた。
告白、告白。
上手く行くわけがない、告白なんかしたら友情までパァになっちまう。
男を好きになったなんて、誰にも言えない。
億泰に知られた時点でもうピンチだってのに、
本人に言うなんて無理にも程がある。
ぐるぐると頭を回る嫌な思考。
モールに着き、楽器屋や画材屋を巡る間も頭から離れない。
買い物を終えたらしい雪音とベンチに座り、自販機のアイスを食べながらぼんやりと雪音の話を聞く。
やっぱり、これが好きってやつなんだろう。
一緒にいると落ち着く。
雪「その、仗助、わりぃ」
仗「…!なんで謝るんだよ」
雪「その、あんまり楽しく無かったみたいだから、ムリに付き合わせて、その、悪かった。帰ろうぜ、遅くならねぇうちに」
顔を伏せて席を立ち、歩きだそうとする雪音の手を反射的に掴む。
仗「違う!楽しくなかったんじゃ、ねーよ…」
雪「…いや、でも、」
急に手を掴まれて、雪音は戸惑ったような笑顔を浮かべた。
仗「違う、違うんだ、考え事をしてただけで、」
ダメだ、これじゃあただの誤魔化しだ、
雪「そうか、良いよ、気にするな。早く帰ろうぜ」
仗「好きだ」
雪「…………は、ぁ?」
言っちまった、言って、しまった。
もう終わる、この関係は終わってしまう。
雪「好きって、何が?何の事だ?」
仗「好きなんだ、雪音。分かんだろ、これ以上、言わなくても…」
雪音の顔色がさっと変わる。
雪「そ、れ、本当、に?」
仗「本当、だ。じゃあその、俺は、もう帰る。また明日な」
雪「待てよ!」
どきりと胸が高鳴る。
仗「良い、もう分かってるからよ。ごめんな」
雪「なんで、なんで謝るんだよ、」
仗「迷惑なだけだって分かってるからよ。良いんだ。」
引き止める手を振り払おうとすると、ぐっと強く握られる。手の先は冷え切っていて、僅かに震えていた。
雪「…行かないで、行かないでくれ、」
仗「…」
雪「嬉しい、嬉しいよ。仗助、滅茶苦茶嬉しい。でも、おかしいだろ、俺は……(こんなに迷惑を掛けてきたのに……)」
男だって、言いたいんだろ、
仗「分かってる、俺だって…」
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式姫 - この作品とても面白いです!!次回も楽しみにしていますね!更新ファイトです!! (2019年1月13日 0時) (レス) id: 9f64c044c4 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - キュアトロ推しさん» ふぉおなんと嬉しいお言葉!!!!感謝感激雨あられで御座います。°(°´ω`°)°。これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします!!! (2018年3月29日 1時) (レス) id: d64a7214eb (このIDを非表示/違反報告)
キュアトロ推し(プロフ) - ぅぅぅぅこの先がきになって仕方ないです…!こんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます!!!神作です!これからも応援してます!頑張って下さい!!!! (2018年3月29日 1時) (レス) id: bb8c54bc53 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - あんころもちさん» コメント有難うございます!!!!これからも露伴、仗助、雪音の絡みをたっぷり書かせて頂きますので何卒よろしくお願いします!! (2018年3月12日 20時) (レス) id: d64a7214eb (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - はうぅ〜…私も露伴のほっぺをつんつんしたり、ぷにぷにしたい〜雪音のほっぺをつんつん、ぷにぷにしたいよ〜(*´∀`*) (2018年3月12日 20時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:素振りをする素振り | 作成日時:2018年2月1日 22時