悪変 ページ37
no side
冷たい空気が漂う古びた廃倉庫
周りはもう使われていない工場地帯が広がっている
ﾋﾟﾁｬﾋﾟﾁｬﾄ水が漏れる音が妙に響く。
周りが余りにも静寂。
ｺﾂ､ｺﾂ､ｺﾂ､ｺﾂ､
その静寂の中に新たな音が交わる、
とても落ち着き軽い足音、
それでいて圧倒的な力を帯びる音。
静寂な倉庫の中はそれに似合わない数の人が整列していた。
全部で80名
その80名の前に出た人物、足音の主。
河西氷秋
『集まったな。』
瑠依「これより浮世緊急集会を始める！！！」
静寂を破るようにして瑠依の声が場を張り詰める。
『もう全員気づいていると思うが、最近他所のチームが着々と勢力を伸ばしている。
一つは東京卍會だ。以前の血のハロウィンでの芭流覇羅との戦いに勝利した東京卍會は芭流覇羅を傘下とした。
そしてもう一つ、黒龍。8代目からゆすりやら薬やらで年少には随分と世話になっている。
それが10代目総長になった途端明らかに毛色が変わった。
そのことで今回この緊急集会を開いた。』
近頃のビックニュースでは東京卍會が挙げられている、
あの年上である芭流覇羅を倒し、傘下とした東京卍會
だが、氷秋が目をつけていたのは黒龍だった
黒龍は8代目総長から犯罪に手を染めるチームになっていた。その後10代目総長まで継がれている黒龍、
最近毛色が変わったという。
『黒龍がウチの情報を握っている。』
「「「ｯ！！！」」」
瑠依「"今"の黒龍は用心深い。」
『あぁ、ウチの情報を流している人物がいると考えられる。』
沈黙の続いていた倉庫内がざわめき出す。
ロイ「ユダｧ？？オイ、テメェらじゃねーのかよ、ノミムシ共がｯ、」
「そ、そんなワケないじゃない！！！私が氷秋を裏切るなんてこと絶対にしないもん！！」
ロイ「オレはテメェだけに聞いてんじゃねーんだよ。もう用無しのクソアマg 歌「ロイ、氷秋の前だよ？」 ……。」
『情報を流している奴の見当はついてる。あとはそいつをどう潰すかだ。今日お前ら追放者を集めたのはこの黒龍との抗戦後の為だ。
数を使って実力を隠す。これから浮世が誰につこうが別に屈服しているわけじゃない、お前らの大好きな暇つぶしだ。』
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