芭流覇羅 ページ34
no side
ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ
ﾊｧ､ﾊｧ､ﾊｧ
薄暗い路地裏、
遠くから救急車とパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
1人の小柄な少女は息を切らしながら路地裏に入っていく。
路地裏の影に隠れると少女は張らせていた緊張の糸が切れたのか、両膝を地面につけた。
「……ﾊ……ﾊﾊｯ、ﾔｯﾀ…ヤッタ、ヤッタ、ヤッタ！ヤッタ！！ヤッタヤッタヤッタ！！！やったぁぁ！！！」
少女はブツブツと何か言うと急にフードを乱暴に外し、大声をあげて歓喜に満ちた。
建物と建物の間に見える一筋の青空を見上げて、彼女はずっと笑っている。
よく見れば少女の両手や前側の服は赤い液体で汚れている、
「私ヤッタよ！！やってみせた！！氷秋の為に、やってみせたよぉ！
これでやっと…氷秋のところに戻れる、氷秋の為に生きられる。氷秋は私の物 ロイ「気色悪りぃ声出してんじゃねぇよクソアマ 」 ……。」
ロイ「テメーの口で氷秋の名前を出すんじゃねー、」
少女が笑っている中後ろから声がした、
少女は驚きサッと後ろを振り返るとそこにはロイがいた。
浮世の特服のフードを取りポケットに手を入れ、路地裏の入り口に立っていた。
ロイ「総長がお呼びだ。クソども連れてさっさと集まりやがれ、」
「…了解しました。」
少女はスッと立ち上がり下を向きながら言葉を返した。
「(どうして……ﾄﾞｳｼﾃﾄﾞｳｼﾃﾄﾞｳｼﾃ！！！！氷秋は私の物なのに！！氷秋は私だけのものなのに！！！！アイツ…許さない…)」
少女は唇を血が出るほど噛み締める。
ロイが去った場所を憎く恨めしい、狂った目で睨み続けた。
___
タケミチside
武蔵神社
夜、人のいないはずの神社では東京卍會1人を覗く総員が集まっている。
マイキー「花垣武道！！！顔上げてみんなに挨拶しろ、」
千冬が突然言い出した。
壱番隊隊長に……オレが……？
そんなんオレにできるワケ、、、
"君なら姉さんを救える"
"みんなを助けてくれ、泣き虫のヒーロー"
いや、できないんじゃねー。
やんなきゃいけねーんだ！！！
ヒナを救う為に！！！
タケ「よろしくお願いしますっ！！！！」
ドラ「オイオイ、何泣いてんだよ…締まんねーな、」
三ツ谷「あーあ、また刺繍入れ直しだよ 」
マイキー「……顔上げすぎだ…バカ、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
