なれないよ… ページ14
『……っ……。』
真「なんだよ返事くらいしろって…泣いてんのか?」
『っ、ち、違う!!』
自然と涙が溢れた。
こんなボロボロなガキがツマんなそうにしてるなんて一体どの大人が気づくと思う?
虐待されてるだのいじめられてるだの思う大人たちは同情して話しかけてくる。
こんなダサい髪型の奴に泣かされるなんて屈辱だ…
悔しいと思いながらも嬉しかった、
すると頭に何か乗る感触がする。
顔をあげてみると撫でられていることに気付く、
『な!!何してっ 真「なんだオマエ、笑えんじゃん。」 え?』
あぁ……俺…笑ってんだ、
真「そんなにオレと話せたことが嬉しかったか〜?」
『いや、別に』
真「急に真顔で即答すんなよ…、」
コイツはそう言いながらもまだ俺の頭に手を乗せ撫でている。
なんで、こんな奴に撫でられんの嫌じゃねぇんだろ…
撫でられることがこんなに心地いいなんて初めて知った、
初めて俺の世界に色が付いた、
コイツは真一郎っていうらしい。
10個以上も上なのに全然そう見えないのはコイツがバカっぽいからか?
それなのに何故か口が勝手に開いてどんどん真一郎と親密になる。
でも流石に虐待とか借金取りとかは言えない、
真一郎はそれでも一言言うだけで余計なことは言わなかった。
真「話せねぇこともあるだろ?いつでも頼れよ氷秋。そしたら俺たちが助けてやる。」
『オレたち?』
真「あぁ、 あとオマエはもう少し素直になれ、」
『素直…、』
真「そんでこのカッケー真一郎様に憧れてもいいんだぜ?」
『憧れは置いといて、頑張ってはみるよ。真一郎弱そうだから信用できないし、』
真「え? 『じゃ、俺帰る。』 あ、オイ!」
『真一郎!!オマエ、弱そうだしバカそうだけどかっこよかったから!!
俺、真一郎みたいに人を助けてやれるようになりたい!!』
真「っ、」
そう言い残して俺は家に帰ったる。
ちょっとだけ足が軽くてちょっとだけ世界が綺麗に見えた。
弱そうなのにかっこいい真一郎みたいになれたらって、そう思った。
___
氷秋side
…、おれになる前の俺の記憶。
だからここに来たのか、
『はい、今思えばタケミチとダチになったのは真一郎みたいだと思ったからなのかもしれないです。
……マイキー君、無理を承知でお願いします。俺を東卍に入れてください、俺はタケミチの守りたいものを守りたい。東卍を守りたい。』
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