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「___は？」
元監督？......いやいや、蒼指Aは確かまだ中学生だろ？
「いや、中学生じゃ監督にはなれないだろ。年齢的にも」
「いや、そう言うんじゃない」
「どういう意味だよ？」
「アイツは直接的な監督活動はしてないよ。間接的に、チームを操ってたんだよ」
玲王の話はこうだった。
蒼指Aには兄がいて、その兄は少年チームでプレーしていたらしい。
だけど、突然サッカーをやめてしまう。
その後、弟である蒼指Aは、兄の後を追うようにチームに加入。
センスはあったんで、何度か小学生の選抜選手にも選ばれていたらしい。
「なんで玲王がそんなこと知ってんの...？」
「お前を見つける前、他にいい奴がいないか探してたんだよ。そしたらネットに載ってたってわけな、凪」
「ふーん...よく覚えてるね玲王は」
「で！続きは？」蜂楽が急かす。
「まぁまぁ、」
玲王が続きを話してくれる。
______そして、その後。蒼指Aはスペインに飛び立つ。
「え！？なんで！？」
「ウルセーよ潔。まぁ聞け」
「お前ら、”バルサアカデミーキャンプ”って知ってるか？」
「あ！そうか...なるほど」
「え。何それ。潔わかるの？？」
「知らないのかよ凪。バルサアカデミーって有名だろ」
俺はバルサアカデミーについて説明する。
FCバルセロナのサッカー哲学に基づいたトレーニングメソッドを学ぶ事が出来るサッカースクール。
そのキャンプでMVPに選ばれた少年・少女は、FCバルセロナの本拠地、スペインへの遠征の援助を受けることができる______というもの。
「へえ...じゃあ蒼指Aくんがスペインに行ったのって」
「そうだ。MVP選手に選ばれたからだ」
「マジかよすげーな...」
「すげー」
俺は感嘆の声を上げた。
小学生でスペイン遠征か、レベル違げェ......
「じゃあ、監督っていうのはなに？玲王」
「まだわかんねー？だから____」
「おいお前ら、いつまで此処にいるつもりだ」
「絵心......！！」
モニターに絵心が映し出された。
気付けばもう食堂に残っているのは俺たちだけだった。
「もう食堂は閉めるぞ、オラ。各自部屋に戻れ」
「うす.......」
「えーっ良いトコだったのにね〜っ」
「まぁ蜂楽、また話してやるよ」
「俺にも声かけろよ玲王！」
なんだよ、このタイミングで......
渋々別れた後、俺は一人で思った。
知りたいな、蒼指Aの事......
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作者名：とうしろ | 作成日時：2022年9月4日 1時
