一話−side.K− ページ3
「素に銀と鉄＿＿＿」
月明かりが照らす夜。
「四方の門は閉じ＿＿＿＿」
古びた日本家屋の一室から、少年と思わしき声がする。
「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ＿＿！」
途端、部屋がまばゆいばかりの光に包まれ、障子が数枚吹き飛ぶ。
その光の中から、古風な屋敷には似つかわしくない、銀の鎧を身に纏いブロンドの長い髪をゆるくウェーブさせた女性が大ぶりな旗を掲げて告げる。
「ルーラー。我が名は■■■■・■■■。
マスターのサーヴァントとして、貴方を守ることを約束しましょう。」
マスターと呼ばれたのは女性の目の前に立つ小柄な少年。＿＿もとい、審神者と呼ばれる者。
彼の右腕には赤い痣のような文様が浮かび、眼前の女性と同調するように輝いている。
「…ええ。こちらこそ宜しくお願いします。……ところで、あなたが聖杯に願うことは……いえ、今はやめておきましょう。」
審神者は落ち着いた様子でくるりと踵を返し、部屋を出る。
次に審神者が着いたのは刀の鍛刀部屋であった。
審神者が扉を開くと、中に人影があるのを確認する。
「…………三日月さん。」
三日月、と呼ばれた人影がゆっくりと振り返る。
それは＿＿＿＿＿＿壮絶なほど美しい男であった。
「あなたが選ばれたのですね」
「ああ。そのようだなぁ…。再契約をせねばならんなぁ。」
男はその美貌に似つかわしくないゆったりとした口調でいる。
「俺の名は三日月宗近。……まぁ、宜しく頼む」
「三日月さん、飛ばしましたね……まぁいいでしょう。では、ルーラー。三日月宗近。あなた方を私の契約者として、聖杯戦争に参加します。いいですね？」
審神者の左腕には、先程の赤い文様とは別に、月を模したような青い文様がある。
「ええ。我がマスターに神の御加護があらんことを」
「ああ。形あるものはいつか壊れる……だが、その時まで主につかえることを誓おう」
「では、今夜はお休み下さい。」
審神者は執務室に戻る、とだけ告げ、鍛刀部屋わ後にした。
−−−
誰かが言った。
これは擬似聖杯戦争である、と。
かつて冬木で行われた聖杯戦争が、二百年の時を経て、蘇るのだ。
当然それは贋作に過ぎない。
ならば、聖杯戦争を作り変えれば良いのだ。
−−−
こんにちは！
この審神者、誰かわかりますか？
いえ、きっとわかるはず。
………だって、創作キャラじゃないからネ！
是非もないよネ！！
それではまた。
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作者名：よりしろ | 作成日時：2017年11月19日 10時
