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「はぁ…」
小さくため息をついた
だがそのため息は小さめの体育館の壁に吸い込まれていった
清水先輩から説明を受けて早速マネージャー業務にとりかかったはいいが
「…しんどいわ」
予想以上にキツかった
選手が練習している間はドリンクを作ったりスコアをとったりして
休憩時間になればドリンクを配りキャプテンと打ち合わせ
そしてまたスコアをとり各自の練習メニューを考えながら
ボール磨きやネット整備
僕の予想をはるかに上回る大変さだった
こんな事を清水先輩は一人でやっていたのか
そう思うと可愛い清水先輩がかなり格好よく見えてきた
スコアをとり終わりボール磨きに行動を切り替える
こういう地味な作業は結構得意だったりする
磨きながら僕は練習について考えた
田中先輩は気は荒いが面倒見のいい人だ
単純なぶん、より単純な日向君と相性がいい
影山君と兄さんは…お互いライバルだと認めたくないようだけど
どう見てもライバル同士だ
この二人はくっつけすぎると危ないけど
ある程度の距離をおいているといい競い合いが見られる
他にも優しい先輩が沢山いるし…案外バランスのいいチームかも
「危ない！！」
その叫びが聞こえた頃には遅かった
何かが僕の頭を直撃した
ボールじゃない…もっと何か硬いものだ…
そう考えている余裕はなく、僕の意識は徐々に遠ざかっていく
その虚ろな意識のなか、目の端に小さな人影が写った
高い背丈、黒い髪の毛、オレンジのカチューシャ
「べに…お…」
反射的に口にだしていた
だがその声は誰にも届くことはなく僕の意識は完全に途切れた
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作者名：サボり魔 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mnbaidan
作成日時：2014年7月9日 20時
