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「…なるほどな」

僕が説明し終わるとサラサラヘアーの男の子が頷いた

ホッと胸を撫で下ろし、ため息をつく

さっきから数人の先輩らしき人達が彼に僕の事を聞いている

一体何人の人に自分の事を説明したら気がすむんだ僕は。

しかし…

「皆でかい」

流石バレー部と言ったところか

この体育館では背が小さいほうが目立ちそうだ

考えていたら入り口から声が聞こえた

「おはよう…あ、螢…!」

「兄さん」

僕を見るなり駆け寄ってきた

首に下げたヘッドフォンが揺れている

「早かったんだね。言ってくれれば迎えに行ったのに」

「いや、色々と寄り道してきたから。ちょっと一人で部活見学でもしようと思ってね」

兄を見上げながら話す

もう慣れているので構わないが周りの目があるとなんだか気恥ずかしい

それに気づいたのか兄がいきなり僕を片手で持ち上げた

ほぼ抱っこに近い

いや、こっちのほうが何倍も恥ずかしいのだが兄よ

「…兄さん…恥ずかしい」

「いーじゃーん。サービスだよサービス」

なんのだよ

まぁいいや

面倒くさいのでもう触れない事にしよう

僕は驚いている人達を見て言った

「見下ろした状態ですがすみません彼に説明した通りです。これからお世話になります」

「え、もしかしてバレー部入るの?喘息大丈夫ー?」

兄が子供をあやすときのように体を揺らしながら問うた

少しばかりカチンときた

「バレーはしません。マネージャーをしたいんです。つーかします」

僕は少し威圧感を出しながら言った

相手に拒否権は与えない

「そ、そうか。まぁ人手不足だったし丁度いいかな」

キャプテンらしき先輩が苦笑いで言った

清水には話しておくよ と言いながら笑顔を浮かべた行動からかなりの人のよさが伺える

「あ、自己紹介がまだだったね」

大きい人達が横に並んだ

「俺は三年の澤村。キャプテンだ」

「俺も三年。菅原。セッターだよ」

「俺は二年の田中だ!田中先輩と呼べ!!」

「俺は一年、影山。菅原さんと同じセッターだ」

「俺は一年の日向!烏野のエースは俺だ!!」





「覚えた?螢」

「一応」

人の名前覚えるの苦手…

とりあえずレギュラーの人たちは覚えた

僕はふと時計をみて青ざめた

「朝礼まであと………5分」

「えええええええ!!?」

「うわっマジかよ!」

「ほら急ぐべ一年!」

「はいっ!」

…なんだか慌ただしい朝だったな

この後僕が肩で息をしながら全校生徒の前で挨拶をしたのは言うまでもない

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作者名:サボり魔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mnbaidan  
作成日時:2014年7月9日 20時

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